5/10
エネルギッシュなヤリさんは朝6時に起きて事務仕事を始める。そして、朝食の準備もテキパキとホテルのサービスのように機敏だ。フィンランド人の男性はイクメンが多いと聞いていたが、街を歩いていてもベビーカーを引いて男性同士が歩いていたりするのを良く見かける。
ヤリさんは料理が得意なこともあるが、キッチンに立っている時間は奥さんより多く、家事も進んでする。どうしてそんなに働くのか?と聞くと、「人に与える方が、得るものが大きいから」なのだそう。奥さんのアンネさんも料理好きで、昨日はLiha Pullaというフィンランドのミートボールを作ってくれた。お肉がジューシーでとっても美味しかった。
「私のお母さんは料理がとても上手で、子供の頃にその楽しさを教えてもらったの。彼女が生きている頃は、私が料理を作ると、『あなたの料理は、No wind No rain(風も吹かないし、雨も降らない)=味にドラマがない』と言われたものよ」
アンネさんのお母さんが生きていたら、きっと彼女の上達ぶりに満足するに違いない。
昨日は、米子に住む古事記おじさんこと多羅尾整治さんから紹介してもらった、ヘンナさんという女性に会った。彼女は多羅尾さんが書いた古事記の本を英訳した人だ。
まるで日本人のように流暢に日本語を話す彼女に驚きながら、市内を散歩した。母の日で祝日ともあって、お店などはほとんど閉まっていたし、風が冷たく長時間歩けなかったので、海辺の可愛らしいカフェに入ってフィンランド名物のシナモンロールを食べながら話をした。
高校卒業後すぐに海外へ移住し、日本でも働いた経験を持つ彼女は、さぞや強いメンタルを持った女性かと思えば、柔和な雰囲気でフィンランドの自然のようにゆったりと時間が流れている。寒さに後押しされ、夕方には家に戻った。私にはこれくらいの気温が心地良い。
⭐︎今日のご飯⭐︎
Liha Pulla リハプッラ フィンランドのミートボール