ケツァルの変装をした先住民


6/11

 目の覚めるような青い翼と夕暮れの太陽のような真っ赤な色をした、人面の巨大な鳥の夢を見た。私は行ったことはないが、スペインの多分バルセロナにいたんだと思う。
上半身が人で下半身が鳥の極楽浄土に住む、阿弥陀経の迦陵頻伽、もしくはグアテマラの国鳥である
ケツァルにそっくりの、あまりも大きな鳥であった。鮮やか過ぎる青さは恐怖心を招くほどだった。




             グアテマラの国鳥ケツァル



 ケツァルはキツツキ科の尾が長い鮮やかな色をした鳥であり、人間が飼育しようとしても、餌も食べずに死んでしまうほど不自由を嫌うところから、独立のシンボルとしてグアテマラの通貨の名前にもなっている。ヘルビンさんが今日たまたま見せてくれたケツァルの本の中に夢に出ていた鳥にそっくりな絵があった。

 今日は私のナワールである“エ”の日。マナシャーマンのエドガーさんと約束した通り、青のロウソクを点した。灯を眺めていると、エドガーさん夫婦との日々を思い出す。人は小さな灯一つで、大切な時間を取り戻すことができるのだ。

 久しぶりにグアテマラでお世話になっている、ペドロさんと再会した。彼は私がケツアルテナンゴに滞在している間、携

帯の電波も届かない山奥で先住民との濃い生活を体験していたようだった。彼が行ったという、青色の温水に浸かる地元の人達の写真を見せてもらった。温泉のような場所は大変混み合っていて、混浴でみんな裸だった。彼は淡々とした様子で『どうして水が青いのかは分からない』と言った。ここは出産直後の女性達を清めに連れてくる場所でもあるのだそう。  




             アマティトゥラン湖と近隣の村



 家から車で30分のアマティトゥラン湖へ足を伸ばした。湖面は緑や水色など場所によって異なる色を持っている。
町の中心からさほど遠くない場所であるのに、田舎の村に来たような穏やかな雰囲気が漂い、水中マスクを付いた漁師さんが湖の側を歩いている。
この湖には、アティトゥラン湖同様に、湖の底に昔存在した町があると言われているが、まだ発見はされていない。
水の温度は温かく、岸辺には湯気が出ている場所もある。水が緑色なのは水中に酸素が不足しているからだそうで、所々に酸素を作る機械が設置してある。

 アマティトゥランは、グアテマラで唯一、キリストの十字架を背負って行列を作る宗教行事(スペイン語ではProcesión)が湖の中で行われる珍しい場所で、“El niño de Amatitlan”と呼ばれている。




                                              Naciones Unidos国立公園



 湖が一望できる、Naciones Unidos国立公園へ向かう。公園内を車で走り、時折止まって写真を撮った。
中央広場には、マヤ遺跡のレプリカたちが建っており、屋根が付いた休憩場では、大勢の人達がゲームをして盛り上がっている。




                 サンタ・テレシータ


 アマティトゥラン村にある温泉地、サンタ・テレシータを訪ねた。
温泉施設が密集しているアマティトゥラン村にはマヤの聖なる樹、セイバがそこら中に生えている。
この村に住む人の家には、各家庭に温泉水が引かれており、毎日家で温泉気分を味わえるのだそうだ。

 サンタ・テレシータには、天然温泉を始め、サウナ、水治治療、マッサージなどの色んなコースの組み合わせが体験できるスパである。
外国人ばかりかと思いきや、地元の人達の方が多く訪れている。温泉も温度別に6つ以上の広いプールに分かれており、開放的でリラックスできる。マッサージとセットのコースを体験したが、施設がとてもきれいで大変満喫できた。





ERIKO