サモラノからコパンへ

　　　　　　　　　　　　　　　　サモラノの家の周り

　5/20

 ハビエルが風邪を引いたこともあり、昨日はサモラノの家の周りでゆっくり過ごした。イグアナやビーバーの親子が散歩する可愛らしい姿を見ながら洗濯をしたり、仕事をした。彼は洗濯が嫌いらしく、洗濯機すら家にない。洗濯物はどうしているのか聞くと、毎回1時間も離れたテグシガルパまで持っていっているのだと言う。その方がよっぽど面倒だと思うが。

 ハビエルは、サモラノ大学の教授をしながら、アメリカのNASAの宇宙飛行士用の食事を研究、提供などもしている。職業柄か、料理はとても得意でこっている。昼は肉の味が引き立った特製のハンバーガーを作ってくれた。周りがのんびりして木に囲まれているからか、森林効果で夜9時頃には眠たくなってしまう。

 日曜日の今日からはコパン遺跡へ出発する。
Headman Alasというホンジュラスでは一番信頼のあるバス会社で、グアテマラの国境近くまで225kmの移動。セキュリティーはとてもしっかりしていて、車内、席共に広々としていて快適である。
ホンジュラスではバス内での強盗がとても多い。そのバス会社の多くはセキュリティーチャックなしで乗車できるためである。
コパンまでのチケットは3,500円と距離と比較すればこの旅で一番高価だったが、安全を買ったと思えば安いだろう。
日本では快適さにお金を払うことが多いが、中南米ではまず安全を買う。

 バス停に先日ラジオに出演した時同席していた獣医さんがいた。同じバスで彼はグアテマラまで行くということで、ハビエルも安心して送り出してくれた。
ホンジュラス第二の都市、サンペドロ・スーラで乗り換えをし、再び走り出す。穏やかな山と川の景色を永遠に眺める。

　　　　　　　　　　　　　　　コパンの中心広場周辺

 コパンに着くと、ハビエルの従兄弟のホルヘさんが迎えに来てくれた。予約をしてくれたホステルの前で私を下ろすと、『じゃ！』と言ってそそくさと仕事へ戻って行った。
予約をしてくれていた部屋は６人部屋。滞在先の家族と同じベッドで寝るのはなんともないのだが、知らないバックパッカーとは慣れないせいかとても一緒に寝られる気がしない。
ホステルの人に『一人部屋に変えて下さい』と、お願いすると、ホステルから４ブロックほど離れた支店に案内してくれた。
『料金は同じで良いから！』店を取り仕切るのは恰幅の良いメキシコ人の女性である。1泊6ドルにしては贅沢な2部屋を使わせてくれることになった。

　『この辺りは本当に安全だから、夜一人で歩いても大丈夫だよ』
ホンジュラスでこの言葉を聞くとは思っていなかったが、夜レストランへ行ってフラフラ散歩してホステルに帰っても危ない気配はなく、民家もほぼ全ての玄関が開けっ放しになっていた。

　暗くて街並はよく見えなかったが、石畳で坂の多い昔ながらの景色が残っている美しい場所であることは間違いない。


☆El plato del hoy  今日のご飯☆

ブッラと呼ばれる　フリホール（豆）をペースト状にしたものにチーズと豚肉を挟めたもの。主に朝食に食べる。

ERIKO