
マレコン・シモンボリバル
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プエルト・カショからグアヤキルまで戻って来た。日中は車移動に費やし、夜は川沿いにあるマレコン・シモンボリバルとラス・ペーニャスを観光した。
セマナサンタ(聖週間)の祝日の金曜日ともあって、多くの人で賑わっている。見晴し台やライトアップされた船は、お台場の景色を思い出させる。
マレコンから北へ歩くとペーニャス地区へ出た。この辺りにある家々はおよそ100年前のもので、エクアドルの英雄エロイ・アルファロ、小説家のエンリケ・ギ・ギベルト、画家のマヌエル・レンドン・セミナリオなど、多くの著名人がこの地区に家をかまえていた。革命家のチェ・ゲバラもここに滞在した記録が残っている。444段の階段を登りきると展望台と教会がある。ここで見るグアヤキルの夜景がエクアドル最後の眺めとなった。
1ヶ月以上滞在したエクアドルは、日本より小さな国であるにも関わらず、アマゾンジャングル、雪山、海や先住民文化など、見所満載の国で、尚かつこれまで旅した国で一番旅行がしやすかった。
新しいラファエル・コレア大統領が就任してからは、村の道路や観光施設制度など多くのことが改善されており、人々からの支持率は非常に高い。どこの観光地へ行っても設備やガイド制度がしっかり設けてあり、声をかけるとたくさんの人が親切に手を差し伸べてくれ、大きな都市でも一人で安心して動くことができた。
その理由の一つには、親日の人が多いため、私が日本人であることが大きく影響しているだろう。
2018年、日本とエクアドル友好関係100周年を迎える。日本は“草の根無償資金協力”をエクアドル全国各地で行っており、現地の人からは、『いつも協力してくれてありがとう』と言われることもしばしばあった。また、東日本大震災の時には、貧しい人達を含め、たくさんのエクアドル人から日本大使館へ募金が届けられた。
一つ一つの小さな絆や発見がある度に、エクアドルをどんどん好きになっていった。唯一の心残りは、2002年のW杯でエクアドル代表選手が地元鳥取県に合宿し、その後も色んな交流が行われていたが、現在は途絶え気味になっていたため、なんとか絆を繋ぎたかったが、力不足で終わってしまったことである。
異国の地で“とっとり”という言葉を通じて繋がりを感じた時、この国に対してこれまでとは違う特別な“思い”を生んだ。
またいつかゆっくりこの国を見てみたいと切に思う。
エクアドル滞在に際しご協力頂きました、駐日レオナルド・カリオン・エギグレン大使を始めとする、駐日エクアドル大使館の皆様にこの場を借りて心より感謝申し上げます。そして日本とエクアドルの友好関係が益々発展していくことを心から願います。
ERIKO