ロス・カラス橋


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 海岸部へ来たら海へということで、アンドレの兄弟である、マリアさんとホルヘさんがビーチに連れて行ってくれることになった。今朝の朝ご飯はセビーチェ。ペルーで食べたセビーチェは生魚だったので、魚が苦手な私はほとんど食べられなかったが、エクアドルのセビーチェは調理してあり美味しい。プラタノ(調理用バナナ)のチップスを細かく砕いて、スープに混ぜて食べる。ここでは定番の朝ご飯なのだそうだ。

 昨晩は雷と嵐ですごかったそうだが、私は熟睡していてほとんど気づかなかった。小雨の中、出発する。エクアドルは現在冬。黒い雲が頭上を覆っている。小高い丘と丘の間の道を走る。道路には所々に穴が空いて、それを避けながら進む。
『ありがたいことに今の大統領がこの道路を作ってくれたんだよ、昔は砂道でとても走りにくかった』
ジョージさんの目には昔の凸凹道が映っていて、穴はほとんど気になっていないようだった。

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時間半ほど走ると、バヒーヤ・デ・カラケスとサン・ビセンテの町を繋ぐ大きな橋が出てきた。ロス・カラス(バイーヤに最初に居住した先住民族の名前から来ている)と呼ばれるこの橋は、3年前に軍のエンジニアによって作られ、建設には55年もの歳月がかかっている。全長1980mとエクアドル最長で、橋の下は海と川が交差する地点となっている。橋の建設に用いられた材料は全てエクアドル産。





 橋を渡り切りさらに進むと、小さな村に差し掛かかる。牛の角がたくさん飾ってある家を見かけた。
『これは、“カチョス”(角)と言って、恋人が浮気をすると頭から生える“角”(怒り)とかけているもので、浮気をされた相手がその都度家の前に角をぶら下げるんだよ』
ちょっとした観光名所になっているようだった。
Un hogar sin cachos es como un jardin sin flores”(角のない家は、花のない庭のようなものだ)など、角と一緒に色んな言葉が添えられている。



              カノアビーチ


 大西洋に面したカノアビーチはヨーロッパからの観光客などで賑わっていた。アンドレは小さい頃からサーフィンをしていて、着いて早々サーフボードにまたがり、沖へと出て行った。私も少し教えてもらったが、あともう少しという所で立てずじまいで終わった。
波に接触するまでに何十メートルもある広い砂浜を持つ海は、波の押し寄せる力と引く力が強い。日本海側の緩い波に慣れている私には非常にパワフルだった。
帰りの車内で『夜はクラブへ!』とみんな張り切っていたが、やはり疲れていたのか暫くすると家でぐったりしていた。
雪山から海へ、エクアドルのアクティビティの幅は広い。


     左:アンドレと兄弟のマリア、ホルヘさん



★El plato de hoy 今日のご飯★


エンコカード・デ・カマロン ココナッツソースのエビ料理

ERIKO