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面倒見がよく、『僕の友達と話したらもっとコロンビアのことが分かると思うから!』と、大学の友達に声をかけてくれていた。
大学はボゴタの南部に位置し、周りはいくつもの大学に囲まれている。
タクシーを降りた後、サングラスを車内に忘れてしまったことに気がついたがもう遅かった。
入館の手続きを済ませ、入り口のロビーで集まってくれた8人の大学生達と挨拶をする。館内はエスカレータがあり、ガラス張りでどこかのおしゃれなオフィスのようである。みんな恥ずかしがってかモジモジしている。
大学生にしてはみんな随分と若いと思ったら、ほとんどが17才~19才。メカニック科で勉強しているアレハンドラさんは17才ですでに大学3年生だ。
普段の生活の様子や将来の夢などを聞かせてくれた。
ほとんどの生徒達は大学を終えた後、ヨーロッパやアメリカで勉強を続け、コロンビアで働きたいと語った。
特にアメリカへ行きたいと思っている人が多く、そのほとんどは映画の影響や仕事の幅、コストが安いからという理由からだった。
コロンビアはアメリカとの外交関係がよく、他のラテンアメリカ国に比べて比較的良いイメージを持っているようだった。
彼らの中に珍しく日本語を勉強している生徒がいた。アンドレス君である。日本語で質問をすると大抵のことは返事ができる。彼はとにかく日本が好きで、プライベートスクールに通っているそうだ。
『僕の大学は日本への交換留学システムがないので、自分で勉強して日本の大学へ入るのが僕の夢です』と話した。
コロンビアにもカリという場所に日系社会が存在するが、ボゴタは少ない。今日出会ったほとんどの生徒にとって私が初めて出会った日本人となった。私の故郷の鳥取の写真集を見せると、『日本ってこんな場所あるんだ、ビルばっかりかと思ってた』と言ってとても興味を持ってくれた。
彼らが持っている日本のイメージは、“テクノロジー、ファッション、教育水準が高い、外国人が馴染むのが大変”というのが多かった。
日本についての宣伝や情報の流出が少ない分、彼らが日本の何かと接するのは、授業で見る黒沢明などの映画だったりアニメだったりする。
みんなのお腹が空き出すと、コロンビア料理のレストランへ連れて行ってくれた。『これが一番定番だよ』と、Bandeja Paisa(バンデハ・パイサ)をオススメしてくれた。ご飯にフリフォール(豆)、アボガド、豚肉、ソーセージ、揚げバナナ、目玉焼き、マイス(トウモロコシの揚げ物)、ひき肉が1つのプレートにのった料理でボリューム満点だ。
家に帰るとまた停電になった。私がボゴタに来てからほぼ毎日1度は電気が消える。
ERIKO