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部屋の外から聞こえる従業員達の元気な挨拶で朝6時に目が覚めた。
今日はツアー2日目。トリニダードから70km離れたサンティ・スピリトゥスへ向かう。昨日多くの人が体調を崩したらしく、バスの中は咳の大合唱だった。
ネオクラシック調のピン・サンチェス広場からサンティ・スピリトゥスの町を歩く。綺麗に舗装された通りはお土産やさんやマーケットが並んでいる。キューバで最も古い教会の一つであるパロケアル・マジョールに立ち寄った。天井は木でできており今までに見たことのないユニークで美しい設計だった。
Monumento a la Toma del Tren Blindado
サンタ・クララの町の中心にあるレオン・シオビダル広場は20世紀初期に作られたもので、広場の真ん前に立つ“ホテル・サンタ・クララ”にはゲリラの襲撃にあった鉄砲の穴の跡があちこちに残っている。
ヤギのタクシーに乗ってはしゃいでいる子供たちや、日向ぼっこをして気持ち良さそうに居眠りをしている人達の様子からは想像しがたい時代背景である。
旅の締めくくりは革命広場と博物館。博物館はチェ・ゲバラの幼少期からの写真や日記、身の回りの品が彼の経歴とともに展示してあった。メモリアルの部屋には1997年10月17日にボリビアからキューバへ移された、チェ・ゲバラの遺骨が眠っている。彼の顔が刻まれたお墓を取り囲むようにして、革命に関係したたくさんの人物も葬られていた。
左腕を負傷したチェの巨大なモニュメントを目に焼き付け、アバナへ帰るバスへ乗り込んだ。途中トイレ休憩でカナダ人の女性がカバンを忘れ急遽休憩所まで戻ると、きちんとお土産屋さんに届けられていた。
アバナ郊外に住む私だけみんなより一足先にバスを降りた。帰りにドライバーさんが捕まえてくれたタクシーだと思って乗った車は自家用車だった。車内ではジョン・レノンのStanding Overがかかっている。
アパート前に着くと2階から隣の家のグロリアさんが、『エリコが帰ってきた~』と叫び、家族の人達が顔を覗かせた。私のキューバはここにある。
ERIKO