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 今年の3月31日に日本を出て約9ヶ月。2012年もそろそろ終わりを迎えようとしている。事故で怪我をした左足の傷は随分小さくなり、見違えるほど綺麗に治って来ている。それと同時に、出発の日が近づいていく。

 グレナダは相変わらず暑い日が続き、日本にいれば自然と感じられるようなクリスマスや年末といったような雰囲気などない。
外出をなるべく控えているので、リビングと部屋を往復する毎日。
2日前からシャワーのお湯が出なくなったが、蛇口をひねれば水が出る環境があるだけでも良い。
この旅で身に付けた自分自身の物の捉え方の変化は、このような些細なことからスケールの大きい出来事に遭遇することで改めて実感できる。何年か前の私なら直面する大半の出来事に、こうであるべきだとか、こうでなければいけないなどとブーブーと文句を言っていたと思う。

 この9ヶ月間旅をしながら様々な人達の“生きる営み”と交差した。
過酷な環境の中で肉体と精神をフルに使い、“生きる”ことを懸命に行う人達、大都会で“時は金なり”といわんばかりに忙しく町中を飛び回る人達。
振り返れば私の心にはたくさんの人達の人生の一部が刻み込まれている。
それぞれの環境に身を置く度に、自分の持っていた常識は非常識へと代わり、その都度新しい世界を受け入れようとしてきた。
彼らと触れ合った経験は、身動きが取れない今の私自身に勇気を与えてくれる。グレナダで費やしている療養の時間は、これまでの旅を改めて振り返り、これから出会うであろう新しい世界に向けての準備期間となっている。

 今日は本来なら明日から滞在するドミニカ国に向けて出発の準備をしているはずだったが、いざスーツケースを引いてみると、完全ではない足に負担がかかりとてもじゃないが運ぶことすらできない。白江さんと話し合った結果、ドミニカ行きのチケットを変更することとなった。
もう数日しか残っていないが、今年いっぱいはグレナダで療養する。


※ 関係者の皆様へ

明日から出発する予定のドミニカ国は、足の状態が優れないためキャンセルすることとなりました。旅の再開は1月1日のドミニカ共和国からを予定しております。ご迷惑おかけして申し訳ございません。何卒ご理解宜しくお願いします。

ERIKO