グレナダ国立博物館内


 湿潤療法をしている怪我の経過は順調で、かさぶたになることもなくきれいに皮膚が出来てきている。数日前から少しずつ歩く練習も始めた。
まだ一人で道路を渡りきる勇気がないが、いつかは決意をしなければいけない日が来る、その日は遠くない。

 ここ最近は、病院へ行ったり、ダウンタウンにある質素なグレナダの博物館へ行った。
グレナダ国立博物館はアフリカからの移民の歴史や、カリブにまつわる土器などの美術品や衣類などが展示してある。
20分もあれば全て見終えてしまう程度の広さだったが、私的にはカリブ民族がどのように海を渡って来たかが書いてある地図を見られただけでも十分な収穫だった。

 2日前から滞在先のハウスメイトのエマニエルの奥さんエスタさんがグレナダに来ている。彼女もエマニエルと同じガーナ出身、アメリカの大学で美術を教えているのだそうだ。バケーションで1ヶ月滞在する予定らしい。華奢でおとなしく、面倒見が良い。
彼らは結婚してから一緒に暮らしたことがまだないと言う。昔の私なら理解しがたいかもしれないが、旅をしている間にそのような状況を経験している人達がたくさんいることを知り、私たちが生きる便利社会では昔ほど難しくないのだと思うようになった。




                 ロティー


 昨日は先週“ロティーショップ”で知り合ったグレナダ人のニコラと“ロティー”というグレナダ料理を食べに行った。
ロティはカレーをクレープで包んだインド系の食べ物で、ボリュームがあってとても美味しい。カレーの種類はチキンやビーフ、魚やランビー(貝)などと豊富でマンゴーなどのトロピカルフルーツも入っている。
ニコラさんは食品会社に務めていて、普段からグレナダ周辺の島を飛び回っている。

 最近グレナダはよく雨が降る。すぐに止んでしまうのだが、大粒の雨が勢いよく地面を叩きつける。見ていてとても気持ちがいい。家の中で過ごす理由ができるかのようで気持ちも落ち着く。旅が再開するまで今のうちに準備を万全にしておきたい。



ロティーショップにて 右:ニコルさん、左:エスタさん、後:サチさん


ERIKO