UWI大学の日本語クラスの生徒達と


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 昨日一緒に同行させてもらったアメリカ人グループは、今日から別の村に入るそうで、朝早くから出かけて行った。
彼らが向かう村は、カラワク族の末裔が住んでいる所で、家を建てる手伝いをするのだという。トリニダードはほぼインドとアフリカからの移民で成り立っている国だが、疫病が流行る前は、カラワク族とカリブ族という先住民が住んでいた国。
何も予定がなかったら、間違いなく同行させてもらっている所だったが、今日は
UWIThe University of the west indies)の日本語クラスの授業を見学させてもらう約束だった。

 エアコンの効いた教室へ入ると、
14名の生徒達が温かく迎えてくれた。
授業を担当している川崎先生が生徒達とコミュニケーションを取る時間を設けて下さった。
生徒達の年齢は
19歳~28歳と幅広く、日本語を始めたきっかけもアニメやマンガ、そして日本で働きたいというような夢を持った生徒など様々だった。

 トリニダードでは、親が子供に留学経験をさせることが多く、学校を卒業した生徒は海外へ出て行くことを目標に勉強に励んでいる。
学校の教育機関も、外国へ出て行き、吸収したものをトリニダードに持ち帰り、国の発展のために寄与する
Brain Drainを推進している。
トリニダード・トバゴは今年で独立50年。とても若い国であるにも関わらず、カリブ海で発展した国として栄えているのは、このシステムのせいもあるだのだろう。
地元の人と話をしていても、外国のことをよく知っている人や実際に住んでいた人が多い。
UWIで日本語を学んでいる何人かの生徒も、具体的に日本へいつ行くのか決めている人達もいた。
生徒達と旅や、私の故郷の鳥取についての本を通して、お互いの国について話をした。


 

 授業が終わった後は、何人かの生徒達がケンタッキーへ連れて行ってくれた。
トリニダードに来て一番初めに感じたのは、ケンタッキーの店の多さだった。ここは、マクドナルドが進出するより先に、ケンタッキーが入っており、いつどこのお店を覗いても長い列ができている。
チキンは国産を使用しており、鶏の餌にも気を使っているようで、確かに味は他の国で食べるよりマイルドで美味しい。
大学の校内にはバーもあり、お酒の販売もしている。



           Maxi-Taxiの車内とUWI学生のレノ君


 Maxi-Taxi
に乗ってダウンタウンまで戻り、新聞の取材を受けた。
一緒に授業とケンタッキーを共にしたレノ君は、私が迷子になるといけないと取材が終わるまで付き合ってくれた。
彼の話す英語はクリオールと呼ばれる、フランス語と英語が混じった方言でとても聞き取りづらい。
トリニダードの人達は、正しい英語を習得するために学校で英語の勉強をするそうなのだが、レノ君は
『僕はトリニダード人だから、クリオールを誇りに思っている』と言って、あまり気を使わない。
私たちはそれをネタにたくさん笑って楽しい時を過ごした。

 夜はアドリエルさん一家がレストランへ連れて行ってくれた。
トリニダードの人達はとても面倒見がよく、フレンドリーである。
私の旅はいつもこうやってたくさんの人達の温かい気持ちによって成り立っている。

ERIKO