グアリューニョスの空港

 一週間のサルバドル滞在も今日で終わり。サンパウロへ戻って来た。

 次に訪問予定のベネズエラは、チャベス大統領が4選し、少々不安定な国の様子がニュースで流れている。
連絡のやり取りをしているベネズエラ人からは、とりわけ非常に危険だというような情報は入っていない。
今後訪問予定のカリブ海諸国の人達とのコンタクトもうまく取れておらず、色んな不安なつきまとう今日この頃である。

 サルバドール最後の日は、ジョアンさん夫婦が隣町の
Praia do mar(プライヤ・ド・マル)へ連れて行ってくれた。
映画に出て来そうなマングローブの林や、透き通った海の海岸で、温泉に浸かるかのように浅瀬で八重子さんと色んな話をした。
話をしていて、初めて八重子さんがリンパ癌を患っていたことが分かった。今はほぼ完治し元気そのものであるが、きっと大変だったに違いない。

 ジョアンさん一家は、私がサルバドールに滞在中、私が楽しめるようにとできる限りのことをたくさんしてくれた。
ジョアンさんは静かで穏やかな雰囲気だが、人の気持ちによく気がつく人だった。言葉ではたくさんのことを語らないが、愛情たっぷりの人だった。海から家へ戻るとき、黙々と運転をするジョアンさんの後ろ姿を見て、分けも分からず涙が出た。

 気持ちというのは、固定的は形容詞でも、視覚で見る写真でも表すことができない。だから人は経験というものを重ねて、自分が感じた気持ちと、相手が感じているであろう気持ちを重ね合わせるのだろう。
彼らに会うことができて本当に良かった。

 TAM
は予定通りに出発し、予定通りにグアニューリョス空港に着陸した。家の前でタクシーを降りると、いつものように雲一つない空のような笑顔でユミコさんが『えりちゃん!』と出迎えてくれた。
荷物を運びながら、心からほっとしている自分がいた。




        蟹がたくさん住んでいるマングローブの林


ERIKO