バイーヤの家族 ジョアンさんと八重子さん

 昨日は移動日だったこともあり、相当体が疲れていたようで死んだように寝た。
8時から日本語学校へ仕事に出る、ジョアンさんの奥さん、八重子さんに合わせて家を出た。どうやら今は雨期の季節らしく、今日も雨が降っている。

 朝ご飯はスイカ、メロン、マンゴーなど豪華なフルーツ盛りだった。
八重子さんを送ったあと、ジョアンさんと車で世界遺産ペロウリーリョへ向かった。





 ここは1549年、ポルトガルによって総監府が置かれた町で、多くのアフリカ人奴隷がやって来た場所である。
『本当のブラジルはバイーヤにある』とブラジル人はよく口にするほど、ブラジルの歴史を知るには大切な場所。
今まで南側しか知らなかった私にとっては、突然カリブの島にきてしまったような気分である。町を歩く人達はほぼ黒人、蒸し暑い気候が体を鈍くさせる。


              サンフランシスコ教会内


ペロウリーリョ歴史地区を散策する。パステルカラーのカラフルな建物の中から、サンバのリズムのパーカッションの音が聞こえて来る。
石畳の間にできた小さな水たまりを避けながら歩き続けると、教会に囲まれた“セー広場”に出た。
広場の奥にはサンフランシスコ教会がある。教会の壁画は修復途中のものだらけだった。教会の中へ入ると、目が覚めるような金色に包まれた。



                                           下町へ降りる“Elevador Lacerda"


 サルバドルの町は坂が多い。有料のエレベーター“エレバドール・ラセルダ”に乗って、丘の上にある旧市街地(
Cidade alta)から下町(Cidade baixa)へ降りる。
お土産屋が密集している“メルカード・モデロ”へ入った。お店に陳列されていたのは、絵や黒人女性の置物、レースの洋服や楽器が多かった。
帰りのエレベーターは止まってしまったようで、スラム街を抜けるバスで丘の上まで戻った。

 家に戻る途中に、Copa 2014年に向けて建設されているサッカースタジムのの前を通った。その前にはDique do Tororo(ジケド トロロ)という周囲3km弱の池がある。
この池の中にいくつかのカンドンブレの像が立っている。カンドンブレはブラジルの民間宗教の一つで、バイーヤが中心地とされている。
アフリカの土着宗教が奴隷貿易と一緒に入り、その後の様々な信仰と混ざり合ったあと、組織化された。ハイチのブードゥー教も同じ仲間であるそうだ。
同じブラジルでも全く異なった宗教や文化がいくつも存在できるほど、ブラジルは広い。
池の側で、休憩中なのか地べたで睡眠中の人達をよそ目にココナッツを飲んだ。丸くて大きな実に穴をあけ、ストローで半透明な汁を吸う。
500mlは入っているかの量である。飲み終わったら実を割って、中の果実を剥がして食べる。ココは毎回の飲む度に味が違うので不思議。

 家に戻り、たまたま来ていたジョアンさんの息子さんも一緒に朝食を食べた。彼らの子供は全員公務員。息子さんは覆面警察官として主にドラッグの取り締まりをしている。
2人の娘さんは、ブラジリアとイグアスで働いているそうだ。首都ブラジリアで国際弁護士と働く長女の彼は、なんとガウチョだという。弁護士とガウチョ・・・帰るまでに是非会ってみたい。


                 丘からの眺め

ERIKO