サンバの生演奏

 昨晩はこの旅が始まって初めてのパーティーへ出かけた。南米に6ヶ月も滞在していて、夜遊びに一度も出なかった方が不思議だったかもしれない。
ライスの友達が10以上集まり、サンバのBalada(クラブ)へ出かけた。
ボイトゥバの町の人がみんな集まったのか思うほど、人でいっぱいだった。南米の国の人たちにとって、週に一度踊りに出かけることは生活の一部である。
生バンドの演奏者達を前に、ライスの友達たちは、突っ込んでいきそうな勢いで踊っていた。

 朝起きると、スヤスヤ眠るライスをよそに、彼女の旦那さんは子供の面倒を見ていた。旦那のマルセッロさんは、日頃から食事も作るし、家の家事は何でもする。



        迎え酒を飲みながら仕事をするルーカス

 ライスの実家へ行くと、家のプールサイドで、昨晩一緒にサンバを踊ったルーカスがすでにビールを飲み始めていた。二日酔いにはビールが一番だそうだ。

 パワフル母さんのマリザさんは、今日も全快だった。
『いい男はいたかい?』と、大股を広げて座りながら話を始めた。
彼女の頭にはなぜか緑色の取っ手のドライバーが刺さっていた。なんて大胆。

 昼食中、ブラジルのアイコン的な存在であった、アナウンサーのHebe Camargo(ヘベ・カマルゴ)さんが、亡くなったというニュースが流れた。
彼女は、派手な衣装やメイクでこれまでのTV界の常識を破り、離婚、シングルマザーといった、当時はタブーとされていた女性の常識を覆し、多くのブラジル人女性に生きる希望と勇気を与えた、誰もが愛する女性であった。
ヘベの息子がホモセクシャルだということも快く受け入れたことから、女性だけでなく、ホモセクシャルの人達からも絶大な人気があった。
“女性”というテーマに非常に縁のあった彼女は誕生日まで、38日 女性の日であった。享年83歳。ご冥福をお祈りします。


            選挙活動応援中のマリザさん

 『今日は選挙運動が町であるから、是非見にきなよ』ルーカスは政界で働いている。言われた通り町に出ると、来週末の選挙のための選挙運動が行われていた。
昨日お会いした、現市長のアスンタさんが走る車の後ろには、応援する人達の車がどこまでも続いていた。
市長選挙の立候補者は2人。車はクラクションを鳴らしながら走り、演説は行われない。流行の曲を替え歌にして、それを流しながら走る。
市内をくまなく回る選挙応援の車の列に入ったお陰で、ボイツゥバの市内観光をすることができた。

 私が滞在している場所と反対側にある地区は、北部から来た人達が多く住む、貧困街だった。
空を見上げるとスカイダイビングのパラシュートが上空をカラフルに染まっていた。


貧困街でゴミを集めて売り歩いている、ティズィーノさん。踊ったり、幸せを振りまきながら仕事をするユニークな様子は、日本のTV番組でも取り上げられた。

ERIKO