ボイトゥバの家族、ライス一家


 サンパウロから車で2時間の小さな町、ボイトゥバに来ている。
ここには3年前にアルゼンチンの語学学校で一緒のクラスだったブラジル人の友達、ライスが住んでいる。
『いつか会いに行くから』と約束し、その“いつか”が今日となった。

 出会ったとき20歳だった彼女は、今や結婚し6ヶ月の子供のママである。
『ブエノスアイレスは寒くて眠くなる』と言って、ほとんど学校には顔を出さず、久しぶりに来たかと思ったら、『アルゼンチンの彼氏ができて親に会って来た』と先生に相談するなかなかのツワモノだった。
当時、約束をしても来ないことの方が多かった彼女がサンパウロまで車で迎えにくると聞いて、内心本当に来るのか、運転免許は持っているのかと心配していた。
私の心配をよそに、彼女は時間通りに待ち合わせ場所に到着し、安全運転でボイトゥバに向かった。到着するまで何度か強い雨がフロントガラスを叩き、太陽が雲間から顔を出した。
3年間というお互いの間にできた時間を埋めるかのごとく話は尽きることはなかった。

 ボイトゥバは人口約5万人の小さな町。現在トヨタ自動車が工場を建設している。
ライスの実家はおもちゃ屋を営んでいる。旦那のマルセッロさんは税理士で、とても礼儀のある謙虚で優しい人男性で安心した。

 夕方になると彼女の家にヨガの先生がやって来た。
私も一緒に参加させてもらったが、久しぶりに体が伸びて気持ちよかった。まさかボイトゥバに来ていきなりハタヨガをやるなんて思ってもみなかった。
この小さな町に住む人達はどんな暮らしをしているのだろう。
今日から一週間、ライス一家の家でお世話になる。
  


6ヶ月のジョアオ。カメラを向けるとこの表情をする。


ERIKO