昨日で春を迎えたというのに、数日間雨が降っていたせいか、気温がいきなり下がり、ダウンを着てちょうどいいくらいになっている。
衣替え用に夏服の入った荷物を日本から送ってもらっているのだが、先週からブラジルの銀行、郵便局でストライキが始まり営業を停止している。
荷物はブラジルに届いているようなのだが、出国するまでに受け取ることができるのだろうか。

 今日という日は悲しいニュースで始まった。
10日ほど前に、ユミコさんとリベルタッジにラーメンを食べに行った時のことだ。
その日は行列で、外で順番を待っていると、たまたま前に並んでいた家族がユミコさんのお友達だった。4人家族で、お母さんらしき女性が私に笑顔で話しかけてくれた。よく笑う女性で、ラーメン屋というロケーションに似合わない小綺麗な格好をしていたのを私はよく覚えている。
その女性が亡くなったと連絡があったのだ。
ゲームをしていた若い息子2人と、旦那さんの姿が頭をよぎった。

 サンパウロ市内のイビラプエラ公園では、一昨日からROCKY SpritというMOUNTAIN FILMによる、映画祭が行われている。
自然をテーマにしたショートフィルムを1日12本無料上映している。
海、山、川、氷河など、自然と向き合う様々な人達の人生が大きなスクリーンに映し出された。

 私たちは死ぬまでにどれだけの美しいものを見ることができるのだろうか。
私は、美しい景色を見るために長い距離を移動し、特別な場所へ行き、普段とは違った体験をすることが美しいことに出会うことでは決してないと思っている。感動はすぐそばにある。大切なのは、心のフィルターを常に透明にしておくこと。そしていつまでも自分の生があると勘違いしないこと。
自分がどのように死にたいかを本気で考え始めた時、自分の生き方が浮き彫りになってくる。

美しい感動に出会うため、また一歩前に進む。

ERIKO