市内を走るオムニブス


 先週までは夜遅くまで作業をしたりして夜更かしていたけど、ポルトガル語の学校の授業が昨日から本格的に始まったので、0時には寝るようにしている。
今日も家から100mのバス停からバスに乗って学校へ出かける。
学校は今週だけしか通えないので、グループレッスンから個人レッスンのインテンシブコースへ変えてもらった。願わくば今週で全ての文法一通りを終わらせてしまいたい。

 午後からはサンパウロ大学とブタンタン毒蛇研究所を訪ねた。
USP(サンパウロ大学)は日本でいう東京大学のような位置づけの大学である。大学はピニェーロス川に沿って建っており、広いキャンパス内を移動するためのバスまで走っている。
サンパウロ大学の合格者の約10%は日系人で、その他の難しい大学の合格者も10%以上を占めている。伝説のF1レーサー、アイルトン・セナもこの大学の卒業生である。





    ブタンタン研究所 てっぺんにヘビが乗っている


 ブタンタン毒蛇研究所は、USP大学に隣接するように建っている。
ここは1898年にドクター・ビタウ・ブラジルによって立てられた研究所。世界中の毒蛇や有毒生物が集められており、それらに対するワクチンや血清を製造している。野口英世も滞在していた時期があったそうである。
少し前に火事があったと聞いていたが、館内にはそれを思わせるような跡は残っていなかった。

 中へ入るとすぐ、5m以上はある極太の大蛇がガラスに張り付いていた。
体は大きいが、顔を見ると小さい頭に黒いまんまるの目が付いて、なんだかお茶目に見える。
何十種類という蛇が、それぞれガラスのケースに入っているが、ぱっと見どこにいるのか分からない。目をこらしてよく見ると、土の色や葉っぱの色に同化して見事にカモフラージュしている。
目の保養のためか、所々に美しい色の熱帯魚が泳いでいる水槽があった。
これがあるのとないのでは随分と出た時の後味が違うだろう。
体全体を地に固執させ生きる独特の存在感と、1匹1匹から発せられるエネルギーは、たくさんの場所で意味を持つ動物して扱われる理由も分かる気がする。



   すき家 サンパウロ店で働く、アルティエリスさん


 夕食はサンパウロ市内に10店舗以上ある、すき家で牛丼を食べた。
値段と味も日本と一緒。店員さんは明るく親切で教育が行き届いている感じだった。週末には入れないくらい満員になるのだそう。

 店を出ると雨が降り出した。アリアンサの真っ赤な大地と乾涸びた黄色いトウモロコシの葉が雨粒に湿っていく姿が目に浮かんだ。
きっとみんな喜んでるだろう、なんせ3ヶ月も雨が降っていなかったんだから。
家に帰るとユミコさんが嬉しそうに言った。
『雨降ってくれたね!じゃんじゃん降ってくれるといいね』

ERIKO