クラスの先生と生徒さん達

9/15

 アリアンサからサンパウロに着いたのは早朝6時前だった、家に辿り着くと、お母さんのユミコさんがすでに起きていた。
『えりちゃんおかえり!』
『お母さん起きるの早いね~』いつもは7時半頃起きているのでそう聞くと、
『豚の味付けが気になってあまり寝れなかったのよ』
料理が上手な人はそんなことまで気になるのかと思ったら、明日は県人会で敬老会を開くそうだった。
ユミコさんとは毎日必ず1回は、腹筋が痛くなるまで笑う。
この間は、お父さんのタダシさんが日本語喋った時に、
『あの女の人は、歯がゴトゴトしているね』と言ったことでしばらく笑い続けた。彼らには、パキパキとか、キラキラとかそうした擬音語がとても難しいのだそうだ。

 朝ご飯を食べて、楽しみにしていたポルトガル語の学校へ向かった。
語学学校へ通うのは2年前のロシア振りである。学生時代はろくに勉強もしなかった私が、言語だけ学べる語学学校は大好き。
私が入った初級クラスの生徒は私を合わせて5人。夫の単身赴任でやってきたアメリカ人や、カポエイラを習っている日本人などそれぞれ勉強の目的は様々。
4時間の集中勉強で、かなり溜っていた何かが発散できた気がする。
毎日基本的には好きなことしかやっていないのだが、語学の授業はその中でも最大の興奮状態になる。

 勉強を始めたばかりのポルトガル語がまさかこんなにすぐ試される時がくるとは思ってもいなかった。サンパウロのラジオ番組“Banzai”への出演である。
以前から予定は組まれていたが、英語かスペイン語で話せばいいと聞いていたので特に準備もしていなかった。
ちなみに2週間前には、歌手の堀内孝雄さんもゲスト出演している。
本番前の打ち合わせで、ナレーターがポルトガル語しかはなせないことを知り、どうなってしまうかと思った。
今回はNikkei webの小川章夫社長(日系2世)とのゲスト出演だったので、分からない部分は訳してもらいながら、1時間15分の長丁場を無事終えた。
下手くそなポルトガル語を聞いて下さった皆さん、ありがとうございました!


    左:ナレーターのエリオと右:小川さん

ERIKO