
無事到着したeagle creekのスーツケースを引くラモンさん
8/10
パラグアイの空港で出て来なかったスーツケースが空港に着いたとの連絡があり、ラモンさんと空港へ向かった。
気温33℃、晴天。パラグアイはどこか懐かしい、湿気が混じった緑のトロピカルな匂いがする。
アスンシオンの町は背の高い建物がほとんどなく、深緑色の植物がそこら中に生えている。庭に咲く真っ赤な口紅みたいな花には、黄緑のハチドリが飛び回っている。
家でお世話をしてくれているラモンさんは、どこへ行っても誰にでも挨拶する。
『みんな知り合いなんですか?』そう聞くと、
『知り合いじゃないよ、でも挨拶すると気持ちいいし、みんな挨拶し返してくれるから。もし、道を歩いていて、途中で転んだら、数秒前に挨拶した人はきっと助けてくれるでしょう。だた挨拶するだけなのに。人生も一緒だよ』
ラモンさんは私が滞在している家にもう30年近く従事し、7人の子供がいる。空港でもすれ違う相手にも挨拶し、まるでみんなマブダチのようである。
パラグアイの公用語は、スペイン語(Voseo)と、グアラニ語という二言語である。日常会話は、この2つを共に使うため、ラモンさんが現地の人と話していることを理解するのは難しい。
私はたまたまスペイン語をアルゼンチンで習得したが、中南米の人たちが口を揃えて美しいスペイン語だと賞賛する国は、ダントツでコロンビア、その次にペルーである。
これからスペイン語留学を考えている方がいたら参考にしてもらいたい。
どの国へ行っても素晴らしい体験ができることには変わりははいのだが。
午後からは、日本・パラグアイ学院を訪ねた。
この学校は幼稚園から高校までの教育過程を日本の教育理念に基づいて行っている。全校生徒は240人、そのうちの95%はパラグアイ人で、5%が日系人である。
2007年、日本・パラグアイの移住70周年記念で秋篠宮様がパラグアイにいらっしゃった際、この学校も訪問されている。
パラグアイでは、ほとんどの学校が半日制なのに対し、日本・パラグアイ学院は1日制で、一週間に10時間の日本語授業を行っている。
言語教育は日本語の他に、国で定められているスペイン語、グアラニ語、英語の授業が行われている。
生徒の日本語レベルは、これまで訪問した学校の中でも極めて高く、日本人の先生も多くいらっしゃった。
パラグアイの日系人は、振る舞いや話し方がとても日本人に近い。
久しぶりに日本を感じた時間だった。
生徒の皆さんはとてもイキイキとしていて元気がよく、積極的に話しかけてくれた。小学校低学年の生徒も自己紹介を日本語で出来るのには驚いた。
パラグアイという国は、時間が本当にゆったりと流れている。人々から感じる雰囲気も焦らず、ゆっくり生きている。パラグアイという時間の流れの中で久々に、体が休まっている気がする。
ERIKO