
タンゴのライブで詩を読むマルタ・ピソ
7/30
アルゼンチンに到着してすぐの頃、タンゴ詩人マルタ・ピソさんという女性を知人に紹介してもらい、タンゴのライブを見に行かせてもらった。
踊りのつかない演奏だけのタンゴは非常に迫力があった。
私自身はあまりタンゴに詳しくないが、ピアソラはとても好きで、文章を書いたりする時などによく聞いている。
タンゴは元々ウルグアイのカンドンベという、黒人奴隷の音楽から来たと言われ、ルンファルドと呼ばれるブエノスアイレスの人達が使う隠語が、詩の中で多く使われている。
マルタさんは日本人の歌い手にも詩を提供している。
家族は、旦那のミゲルさんと2人の息子さんの4人家族である。
私が到着したのが夕方だったので、一緒にピザを作って食べ、夜には、息子たちがギターの演奏を披露してくれた。
家族はボカ・ジュニアースの熱狂的なファンで、ベネズエラとのフレンドリーマッチをみんなで観戦した。
マルタさんは、タンゴの詩人であると同時にマッサージ師でもある。
『生活に最低限困らないお金さえあれば、それ以上はお金を得ることより、好きなことをする時間に使っているわ』彼女の生活は至ってシンプルである。
若い人達が聞かなくなってしまった、伝統的なタンゴをたくさんの人達に伝えようと、様々な活動をしている。
彼女はこれまでにもたくさんの大会やコンテストで賞を取っている。母親としても女性としてもとても魅力的な雰囲気を持った人である。
翌日、彼女の友人である歌手のダニエルさんが遊びに来てくれた。
紳士的な見た目だが、口を開くと冗談ばかり言う生粋のポルテーニョ(ブエノスアイレスの人)である。
今年はコロンビアでコンサートを開くそうだ。
旅が始まって以来の音楽に囲まれた2日間だった。
ERIKO