
Rio Gallegosの位置
7/20
7月20日の今日は、アルゼンチンでは“El dia de Amigo”(友達の日)。
バレンタインなどのように海外から来た習慣ではなく、伝統的に伝わる歴とした日で、この日は友達と食事に出かけたり、プレゼントを交換し合う。
スサーナは仕事などでなかなか時間帯が合わない友達とホテルで朝食会を開くということで、一緒に同行させてもらった。
正味1時間半の食事であったが、みんな飲み会の2次会のように盛り上がって、時間になるとそれぞれ仕事に出かけて行った。
午後からはウーゴさんが昨日に続いて市内を案内してくれた。
『リオ・ガシェゴは何もない街だと人はいうけど、歴史深い場所なんだよ』ウーゴさんは根っからのアルゼンチン人で、語り口調や使う単語はほとんどルンファルド(ブエノスアイレス都市の人が使う言葉)である。
リオ・ガシェゴは現大統領のクリスティーナと、2年間に亡くなった夫で元大統領のネストル・キルチネルが生まれた街である。
街の中を歩きながら、キルチネルが住んでいた家や、彼の祖父母や親の家を案内してもらった。
ウーゴさんは幼少期によくキルチネルと遊んでいたそうで、彼が見せてくれる子供の頃の写真には、小さい頃のキルチネル大統領がよく一緒に写っていた。
一軒家より大きいキルチネルのお墓を見学したあと、パタゴニア地方の新聞のインタビューを2社受けて、地元のラジオに出演した。
市内は警察によるストライキで、爆竹やラッパの音が鳴り響いていた。
現在リオ・ガシェゴの町には警察がいない。すなわち安全を守ってくれる機関の活動が停止してしまっているのだ。
ストライキの理由は、仕事内容と給料が見合ってないからだそうだ。
ラジオの生放送が終わった後、あるラジオを聞いていてくれていた男性が、わざわざ局まで挨拶に来てくれた。
『私は日本にとても興味があるけど、なかなか情報を取り入れることが難しくて・・・こんな小さな町に来てくれてありがとうございます』とお礼を言ってくれた。ありがたいのはこちらのほうである。
お昼ご飯にとびっきり美味しいリゾットを食べた後、ウーゴさんがよく飛んでいたという飛行場へ連れて行ってもらった。
“Aeroclub”(アエロクラブ)と呼ばれる機関が管理しているこの飛行場は、Aero Postal Francia(アエロポスタルフランシア航空){現在のAerolinea Argentina}が、リオ・ガシェゴからブエノスアイレス便を初めて運行した際に、あの有名な“星の王子様”の著者である、サン・ペグジュペリがパイロットとして飛び立った歴史的な場所である。
サン・ペグジュペリが大好きな私は感激の連続だった。
余談だが、彼が“星の王子様”の中で花に見立てた奥さんのコンスエロとは、ブエノスアイレスにある有名な“カフェトルトーニ”の地下で出会っている。アルゼンチンという地は彼の人生にとっても特別な場所だったのかもしれない。
細長い雲に夕日がかかる頃、今日もまた長い夜が始まろうとしていた。
ERIKO