リマから車で1時間弱、Lurin(ルリン)という小さな村に着いた。
村はチョロという3輪のバイクタクシーが走り、道の両脇にトウモロコシ畑が続いていた。
表に扉の付いていない建物の壁には、“KEIKO PRESIDEDTE”とオレンジ色で書かれた文字が目立った。
舗装されていない道の埃っぽい土、同じ高さに均一の並ぶ建物や、3輪のタクシーがインドの田舎を思い出させた。

 この村へ来た理由は、マリアが売却しようとしている土地を見学するためだった。
到着してすぐ朝ご飯を食べに、食堂へ入った。メニューはペルー定番の朝ご飯である、チチャロンという、パンに焼豚、タマネギ、サツマイモを挟んで食べる料理である。
あまりの美味しさに1個半も食べてしまった。

 マリアは、村で農作業をしている人達に、売却しようとしている土地の話を聞いて回っていた。
私は土地の事より、生まれて初めて見る、家の庭をウロウロする、ホロホロ鳥が気になって仕方なかった。ここではかなりのごちそうだそうだ。

 リマへ帰る途中、木製の家具が安く買える地区へ行き、彼女が飼っている2頭の犬の犬小屋を買った。
飼っている犬種は、私の身長と同じサイズのシェパード、イケと、アメリカン・コッカースパニエルのパルキーだ。
犬小屋を初めて見たイケとパルキーは、自分の家だと分かるはずもなく、購入初日は見て楽しむだけとなってしまった。




 先日会ったフェルナンドが、日系沖縄県人会へ誘ってくれた。
家から5分の会場は、オキナワ系日系人が100人以上詰めかけていた。
イベントは各テーブルで沖縄料理を食べながら、移民をした後のウチナンチューの気持ちの変化についてや、沖縄伝統の琉球舞踊やペルーのHuwancayo(ワンカヨ)、カラオケ大会が催された。

 日系オキナウェンセの人達は、遠く離れた場所にある故郷への気持ちをいつまでも変わらずに持ち続けている。オキナワ人の温厚な人柄にラテンの気質が入った日系人は、みんな笑顔が輝いていて、若い人も、お年寄りもイキイキしていた。
連日日系の新聞にて、私の旅の記事を載せてもらっていたお陰か、私に声をかけて下さった人達もいた。

 会場でたくさんの方とお話させてもらったが、日本語を話せる人は一人もいなかった。しかし、カラオケの時の日本語は本当にみなさんとても上手だった。
たくさんの温かい人達との交流が出来て、今日も忘れがたい1日となった。




ERIKO