今、ウユニ市内のホステルにいる。ラパスのエル・アルト空港から19人乗りアマゾナス航空の小型セスナに乗ってやってきた。乗客のほとんどは、SUMSUNGに務める陽気な韓国人達だった。
着いて早々に、明日からのウユニ塩湖のツアーを申し込むため、旅行代理店へ向かった。市内行きのバスは故障していて来ず、親切な地元の人が市内まで車に乗せてくれた。
建設中のウユニの飛行場を出ると、雲が平行に長く伸びた真っ青な空が出迎えてくれた。ラパスより空を近くに感じる。
遠くに見える小高い山々を眺めていると、アルゼンチンのパタゴニアを思い出した。
遠くまで広がるだだっ広い大地。パタゴニアの広大な大地の記憶は、私の気分を高揚させる。
一昨日と昨日で大分雨が降ったらしく、あちこちに水たまりが出来ている。
乾期に入りかかったこの時期に雨が降るとは幸運である。水の張った塩湖は鏡のように働いて、幻想的な風景を楽しむことが出来る。
旅行代理店のお店の前は、大型のシェパード犬が堂々と扉の前を陣取っていた。
手配の手続きをしてくれたお姉さんは、とてもテキパキとしていて、ボリビア人とは思えないほどだった。
手配を済ませてホステルへ移動した。部屋は一晩過ごすのに必要最低限のものが置いてあるだけの簡易な所だ。1泊70ボリビアーノ(約800円)。ホステルの人の話だと、お湯は出ると言う。それだけで十分である。明日からは何日かシャワーを浴びられなくなるだろう。
明日から使用する物をリュックへし仕分けした。
今朝空港まで送ってくれた家族がプレゼントしてくれた、私の両親へ手紙と”Canto sin frontera”と“Jorge Martinez”のCDをスーツケースへしまった。
CDは空港へ来る途中に車の中でかかっていたフォルクローレだった。
チャランゴとサンポーニャの音が、早朝のアンデス山々とラパスの景色をより一層美しく見せてくれた。
お父さんの手紙にはこう書いてあった。
“Con mucho carino a los Papas de Eriko.Es un encanto vuestra hija,Digna representante del Japón.Abrazos de Gernando Royueda”
『エリコの両親へ心を込めて
日本を代表する、あなた達の娘が来てくれたことをとても嬉しく思います。
ヘルナンド・リョリュエダより』
旅先でお腹が空くといけないからとスーパーの袋に入ったクッキーとチョコレート牛乳を渡してくれた。
昨晩、レストランで食事をしているとき、彼の子供達は終始不機嫌だった。普段から別居しているお父さんとあまり一緒に外へ出たがらない。
毎週日曜の食事会が近づくと、顔色が暗くなる。
私たちに美味しい物をと一生懸命にレストランを何件もまわるお父さんがおせっかいに見え、少々うんざりしていたようだった。
色んな都合があるかもしれないが、私たちは両親がいなければここにいることはない。どんな状況であったにしても、私たちは物事を受け止めるための様々な側面を見つける能力を持っている。
私たちが本来どこから来たのかを、いつも忘れないで生きていたいと思う。
ERIKO