ラパスでホームステイしている家は、市内から車でおよそ30分ほど離れたとことにあり、市内へ出る時はTRUFI(トゥルフィ)と呼ばれる乗り合いタクシーに乗って出かける。TRUFIは一応停車場が決まっているが、標識もサインも何もない。入れ替わり立ち代わり様々な人たちが乗っては降りていく。



ラパスへ来てから毎日市内へ出かけている。昨日はTRUFIの窓からくっきりとイリマニの山が見えた。天気の良い日は気温が20℃近くにもなり、太陽を近くに感じる。



ここに住む人たちは、ゆったりしている。話すときも、歩くときも、食べるときも。高所にいることを遺伝子が知っているかのように、ゆっくり行動する。



路店で働く人たちも、押し売りして来ることもなくおとなしくお客さんの買い物を見守っている。



東京の生活はスピードとの戦いだった。1日のうち出来る限りのことを詰め込んでいた。ここでは少しでも早く進もうとすると、体がすぐにしんどくなってしまう。



必然的にゆっくりでいることを強いられる。



ゆっくりでいいんだ。人生たまには少しゆっくりでも。



ERIKO