目が覚めて動揺。じんわりと汗をかいてる。
いつもはどんなに願っても現れない彼が、微睡むうちに何度も現れて、やはりこのままではだめなんだ、と思う。
本当に大切に思う人は、どんなに思ってもそうそう夢にも現れないのに。
あれから2週間。
なんとか掴んだ幸運で雅紀の姿を見ることができた後は、いつもやめてしまいたいと思う。
好きでいたくないと思う。
手が届きそうな距離にきても、目が合わない。声も届かない。
当然のことなのに、去っていく背中に、馬鹿な私の足はがくがくと震える。
楽しめない。笑えない。
楽しむためにそこにいるのに。
しあわせにしてもらうためにそこにいるのに。
そんな、当たり前のことができない自分が嫌になる。
家に帰って現実に戻ってからも、なにもする気にならず、記録も書かず、他の方のブログも読んでいても心に入ってこず、ぼんやりと過ごした。
必死で名前を呼んだ相手はちらりともこちらを見ず、そんな私のなんとも言えないひどい様子に気付いたのか、智はきっと自分の名前が書かれたうちわを探してたんだろうけど、一瞬憐れむような目でこちらを見ていたっけ。それも気のせいかもしれないけど。
目が合うとか合わないとか、手を振ってくれたとか。
そんなことにこだわって、傷付く自分が嫌。
彼の仕事をそばで見ていた人は、クールな人だった、と言っていた。
ライブで手を振ってくれるあなただけが、ほんものじゃないのはわかってても。
その、素気ない目が手に入るのなら。
笑って、なんて言わない。
こちらを見て、なんて願わない。

