ステージング、小野寺修二が言うことには。 | 北川悦吏子オフィシャルブログ「でんごんばん」Powered by Ameba

ステージング、小野寺修二が言うことには。


『彼女の言うことには。』北川悦吏子×スタッフ対談vol.2

「ステージング、小野寺修二の言うことには。」




スタッフ対談第二弾には『彼女の言うことには。』でステージングを担当している小野寺修二さんが登場!

 一般の人たちには耳慣れないステージングとは、一体どういうことをする仕事なのか。そうしたお仕事をするまでのいきさつも含め、お話を聞きました。

演出の永山さんも参加したスペシャルバージョンでお届けします。





ステージングとはどういう仕事?



北川 小野寺さんの仕事はステージングとうかがってますが、ステージングって舞台作品には、必ずあるものなんですか?


小野寺 ついていないことも多いですね。振付を担当する方がいたら、その方が一緒にやることが多いと思います。今回振付の(松澤)いずみさんもステージングができる方だし。今回僕はステージングとして、座席の動かし方などにアイディアを出しています。



北川 場面転換とかも考えるんですか?



小野寺 永山さんが「あまりごちゃごちゃさせず、すっきり見せたい」と言われたのを聞いて、「こういう風にするのはどうですか?」と、僕の考えたものを観てもらって判断してもらうというか。永山さんのイメージに合わせて提案していく感じです。もちろん、いずみさんもいらっしゃるので、二人で考えたりもしますし。



北川 私はとにかく脚本を書く時点で、飛行機の中だけの作品をやりたいという気持ちが強くあったんですね。飛行機がパリから成田に着くまでの話をやりたいと思ったんですけど、普通に考えたらこれって無茶なんですよ(笑)。



小野寺 はい(笑)。



北川 座り芝居でずっと二人が話をしているだけですよね。そこが不安で本当に苦しかったんです。でも実際にできたものを観たら、飛行機に乗るときと、離陸後で座席の配置が変わるのがすごく面白くて、(登場した永山さんに)やっぱり一緒に話を聞くんだ(笑)。



永山 いやいや、私は横で聞いているだけだから(笑)。



北川 一緒に話してくださいよ(笑)。(小野寺さんに)ああした表現が成り立つまでには、どういうやり取りがあったんですか?



小野寺 まず永山さんのほうで「横の絵と縦の絵がほしい」というのは明確に決まっていて。それを座席を動かしてどう表現するか「やってごらんなさい」と(笑)。



北川 じゃあ、このシーンは客席に対して正面を向く、とかは決まっていたんだ?



小野寺 それは決まってました。そこでシーンを繋ぐためになにをするかを考える。それがステージング、という言葉に合っているかどうかわからないですけど(笑)。



北川 シーンによって、舞台上が夏来と是枝の二人だけになることもあるじゃないですか。そういうことも決めているんですか?



小野寺 そこは演出家の判断。どこから二人にしたいかという具体的なことは、永山さんから指示がありました。



北川 観ていて、舞台上が夏来と是枝の二人になっても「他の人はどうしちゃったの?」とは全然思わないじゃないですか。それこそステージングの妙なのかなって。



小野寺 それは演出の妙ですね、はい(笑)。ただ「違和感なくやれたらいいな」という部分はあって、急に場面が全然違うものに見えないように、気は遣うんですけど。



永山 俺が「座席が動いて、ダンサーの人たちは飛んでいく感じで」と言うじゃない? そうすると小野寺さんは座席の展開させ方を考えてくれる。そうすると真ん中にダンサーが残ってるでしょ? そこにいずみが踊りをつけていく。



小野寺 永山さんの中に大きな流れがあって、それをどういう絵にするかのパターンをいくつか僕が考えて、それを見て判断していただくんですね。今回のように振付とステージングがいるパターンはめずらしいんですけど、いずみさんと一緒に作れたのはすごく面白かったです。同じ分野でもそれぞれ考え方が違うじゃないですか。だから発見もありましたし。



永山 あと小野寺さんに助けてもらったのは(真矢さんが)「飛んでる~」というシーンだね。



北川 あ、あれもそうなの?



小野寺 あそこはいずみさんから「ここは小野寺さん、お願いします」と言われたので(笑)。「それじゃあ、なんかアイディア出します」っていう。そういうやりとりは二人でがっつりやりましたから。



北川 あそこは最初、上から吊るのかな? と思ってたもんね。



永山 その「飛んでる~」シーンと、後半のオーロラのシーンもお二人にお願いしたんだよね。



※字数がいっぱいになりました。次の記事に続きます。