あるまちに、すーくんというおとこのこがいます。
すーくんは、とてもあかるくて、げんきいっぱい、やさしさあふれるにんきものです。
そんなすーくんは、ふしぎとおじぞうさまのこえがきこえるのです。





ふしぎなおはなしのはじまり・・・
すーくんは、3さい。
すーくんのおうちのまえには、ポツンとさみしそうなおじぞうさまがいます。
すーくんは、おさんぽのとき、おじぞうさまをみつけると、だれもおしえていないのに、 かならずしゃがんで、ちいさなてをあわせておがみます。

ことばをはなせるようになったあるひ、ママはすーくんにききました。
「おじぞうさんは、なんていってた?」
すーくんはいいました。


『おじぞうさんが、ごはんぱべたいって。 』


すーくんはそのころ、たべたいということばがいえず、ぱべたいといっていました。


ママは、ちいさなおさらにおこめをいれておそなえしました。
おじぞうさまは、ふるくてかおがみえないくらいすりへっています。

おじぞうさまのまえは、むかしながらのみちと たんぼがありますが、そこをとおるひと はほとんどいません。
おじぞうさまのうしろがわにはどうろがあり、くるまがびゅんびゅんはしっています。


すーくんは6さいになりました。
ママは、すーくんにいいました。

「おじぞうさんに、しょうがっこういくんよっていいにいこうか?」

『うん』

すーくんは、スタスタとおじぞうさまにちかづき、

『どーしたの~?なきよるの~?』


おじぞうさまをさすりはじめたのです。


『おなかがすいちょるんて。 あぁ~おかおが・・・どうしたの~? あしがいたいの~?』

すーくんは、しんぱいそうにおじぞうさまのぜんしんをなでていました。
そして、とてもやさしくはなしかけるのです。

ママは、すーくんがしていることをぼうぜんとみていました。
6さいになったし、もうなにもいわないかとおもっていたけど、あんなふうにしぜんに おじぞうさまにふれることができるのは、やっぱりすーくんだなと、ママはおもいました。

いえにかえり、ゲームをしはじめるすーくんにききました。
「すーくん、おこめじゃなくて、りんごでもいい?」

『いいよ。ママがおいてきてよ。あしがつかれたからスーくんはいけない。』


ママは、りんごをうさぎのかたちにきりました。
そして、すーくんのおとうとをつれておじぞうさまにおそなえしにいきました。



すーくんは9さいになりました。
おうちをたててひっこしをし、2ねんのつきひがたっていました。
ママは、ふとおじぞうさまのことがきになりました。


そして、そのよるゆめをみました。


「すーくんはすごいこですね。
ちゃんとかんじとれるこ。
おじぞうさまにあいにいってあげて・・・
おなかがすいているみたいよ。
あとね、どうろがうるさいからかべがほしいみたい・・・
むりなら、ぬのでおおってあげて
たべものは、ひとがたべるのとおなじようにしてあげて・・・」


ゆめにでできたのは、キラキラとした めがみさまのようでした。
つぎのひ、ママはおじぞうさまのところへいきました。

まえは、おはなだけはいけてありました。
いまは、くさだらけ・・・おはなもありません。
どうやら、おせわをしていたひとがだれもいなくなったようです。


ママは、くさをぬき、よういしてきたおおきなくさもちを、たべやすいように  ほうちょうで  はんぶんにきりました。

ヤクルトにはストローをさし、おにぎりはラップからはずしておそなえしました。
そして、おじぞうさまのからだに、ピンクのふろしきをまきました。
そのすがたは、とてもかわいらしくみえました。

すーくんに、おじぞうさまのことをはなしました。
もちろんおぼえていました。
むかしは、おこめをそのままあげていましたね。

「おにぎりがよかったみたいよ」

というと


『そりゃーそうかもね…』

9さいのすーくんはいうのです。

そして、


『たべるものがなかったから、くさをたべるしかなかったんよ』


そんなこともいっていました。

すうじつご、すーくんをつれておじぞうさまにあいにいきました。
すーくんは、

『めがなくなった・・・』

といいました。
ママは、びっくりしました。


おじぞうさまに、おにぎりとヤクルト、おせんべいをおそなえしました。

すーくんに、おじぞうさまと おなじおにぎりをわたしていっしょにたべました。

やさしいかぜがふき、とてもおだやかなじかんがすぎていきました。


すーくんは、11さいになりました。
それからも、すーくんとママは、おじぞうさまのために たべものをおそなえするよ うになりました。

そんなあるひ、ふたりはきづいたのです。

『あれ? おじぞうさまのおかおが・・・まるくなってる?』


たべものをおそなえするようになり、おじぞうさまのかおはまるくなっていったのです。
すーくんはいいました。


『ありがとう・・・っていってる』



おじぞうさまには、めも はなも くちもないけれど、そのすがたはまるでほほえんで いるかのようにみえました。

めにみえないものが、みえる、きこえる
あなたはしんじられますか?

みなさんのおうちのちかくにもおじぞうさまはいますか?
もしいたら、はなしかけてあげてください
きっとよろこんでくれますよ。


2年ほど前に、ある人が絵本用に描いて下さいました。
お会いしたこともない方です。
とっても上手です(*^^*)

いつか絵本になるかなぁ~✨