絵梨花です、そもそも大統領令は、大統領に与えられた権限の範囲で、連邦政府や軍に対して出す行政命令やその権限を指す。
議会が命令発効を禁じる法律を制定したり、連邦最高裁が違憲判断を下したりすれば効力を失うが、政策をすぐに実行に移せる大統領の強力な武器だ。
ただ大統領権限の根拠はあいまいだ。
合衆国憲法第2条に執行権は 米大統領に属するとしか書かれていない。
大統領令や大統領覚書、大統領布告などの種類があるが明確な区別はなく、効果や使い方は政権によって異なる。
外交・安全保障面で素早い判断を可能にするため、大統領に幅広い特権を与えているとの見方もある。
歴代大統領も大統領令を活用してきた。
リンカーン元大統領の奴隷解放宣言や、ルーズベルト元大統領の日系人強制収容も大統領令で実施。
最多はルーズベルト氏が出した3522件だ。
オバマ前大統領も大統領令を連発し過ぎと当時は野党だった共和党から批判を浴びたが、任期8年で計276件は20世紀以降の大統領では最低水準だ。
共和はオバマ氏が議会と協議しないというイメージを訴えたかったとみられる。
トランプ政権はさらに10以上 の大統領令を検討中とされ、米メディアが草案を報じることも多い。
政権内で異論を持つ幹部が情報を漏らしているとの指摘もあり、スパイサー大統領報道官は情報漏洩元の調査に乗り出す意向を明らかにした。
法廷闘争は政権にとって打撃となるとの指摘もあるが、あえて過激な大統領令を出すことで、政権とエスタブリッシュメントの対決を演出したとの見方も根強い。
テレビの人気リアリティー番組のプロデューサー兼司会者だったトランプ大統領にとってイメージ戦略は最重要だ。