子が 中3でゲーマーになってから、その後のお話。

 

 

 

 

こちらの続きから。

 

子は受験に失敗し、滑り止めの私立高校に入ることになった。

第一志望は理系の高専高校だった。ものづくりが好きだったことと、普通の進学校に入って興味の薄い文系科目を勉強するのが嫌だったので、高校から専門性の高い勉強を希望していた。残念ながら、希望は叶わなかった。

 

通う予定の高校のカリキュラムをみてみると、国立理系の大学には行けそうにないことはすぐにわかった。そもそも受験に必要な科目が入っていない。

英語に至っては、中1の英語からやり直すレベル。学校の授業についていくのは十分問題なさそうだったけど、卒業後の想像は全くできなかった。

 

まあ、仕方ない。高校に通いながら、やりたいことをみつけたらいい。第一希望だった高専高校に編入するのもありだ。それができなくても、高卒で就職をするか、まあ専門学校ぐらいには入るのかもしれないけど、とにかく方向だけは好きなことに進んでほしい、必ず道は開けるから、と思っていた。子には現状を伝えて、どんなことでもいいからできるだけ早くに好きなことで将来やってみたい方向を決めるといいよとアドバイスした。その時点では、大学進学は難しいと8割方感じていた。

 

当の本人は、なんだかテンションがあがらないままスタートした割に、高校生活はなんだか楽しそうだった。新しく友達もでき、授業のレベルも楽についていけてセルフイメージが上がったのか、成績はそれほど悪くなかった。

校内とはいえ、悪くない順位だとわかるとやる気になった様子で、3年になるまで勉強のモチベーションは安定していた。相変わらず、数学は優秀で全国でもトップレベルなのに、英語は平均以下いう偏った成績だった。でもそれぐらいわかりやすい特徴がある方が良いと私は思っていたので、特段なにも言わなかった。結局、最後まで英検は合格せず、数検だけこつこつレベルをあげていた。文系科目は模試での点数は上がらなかったが、学校の定期テストだけは平均以上を取る術を自分なりに掴んだようで、内申点はなんとか指定校推薦に必要な成績までは上げることができた。

 

高1が終わる頃にはメンタル的に大人になっていて、私はほとんど口出しする必要がなくなった。自分で考えて決めることができていたし、やりたいことをやるためにいろいろと自分なりに工夫している様子だった。私はただ、子の話をよく聞いて、応援しているだけでよかった。夫は高校に入ってからも引き続き数学を教えていたけれど、本人も夫から教わる数学が楽しいと素直に教わっていた。中学の頃より、二人は仲良くなっているようだった。彼が精神的に大人になるに連れ、私も夫も本来の自分がより表に出てくる様になり、家庭内は、大人が3人、シェアハウスで暮らしているような雰囲気になっていた。

 

 

転機は高2の夏の三者面談。

相変わらずゲームは楽しく続けていたので、将来的にもゲーム関連やプログラミングなどに興味を持つのかと思いきや、それはそれ、趣味なのだと言う。ゲームだけだと世界が狭くなるから、他の世界も広くみてみたいのだと言った。なるほど、けっこうちゃんと考えているんだなと思った。小さい頃から好きだった宇宙関連の勉強をしたい、というので、難しいだろうなあと思いつつも三者面談で先生に相談してみたところ、私立大学の宇宙工学科の指定校推薦の枠を紹介してもらった。しかも、受験の条件は理系科目が中心で本人の苦手な英語や国語はそれほど問われない。早速、オープンキャンパスに行ってみたら、うまい具合に人工衛星をつくってテスト機に乗せたことのある先輩の話を聞くことができた。ここに通ったらどんなことができるのか、イメージングがしっかりとできたようだった。

 

私としては、まさかこんな形で本人の望む理系大学の指定校枠が出てくるとは思いもよらず、本当にびっくりした。私が受験生だった頃から時代は移り変わっていて、5科目オールマイティにできるジェネラリストではなく、数学だけ得意なスペシャリストでもOKなのだった。

 

 

高3。いよいよ進学先を決める段階で、成績的にはちょっとがんばれば手が届きそうな国立の大学が希望にあがってきた。志望校は私立と国立の2つ。行ってみないと最終的にどっちにするか決められないというので、オープンキャンパスに連れて行った。場所は高知。子と私の2人で2泊3日。ちょっとした旅行だった。なかなか痛い出費だけど仕方ない。

 

高知に行ったときの記録はこちら。

 

 

 

最終的には、最初に紹介してもらった私立大学の宇宙工学科の枠をもらって受験。無事合格した。

先日、入学金と前期の授業料を支払って、いったんほっとしているところ。

 

私は今年の夏から大学の費用がちゃんと捻出できるのか、そればっかり考えていて、ある意味自分のことで必死だった。

子育てこんなにがんばったのに、最後にこんなお金の罰ゲームやめてくれ!っていう気持ち。

しんどいわ、ほんと(笑)