②紫色ができるまで(紫系)
紫色は日本では特別な意味を持っていました。
聖徳太子の活躍した時代に冠位に合わせて色が定められたときも最上位の地位を象徴するのが紫色でした。
紫色の染料になる紫草は毎年6月に白い華麗な花をつけます、土の中にある黒みがかった根に紫色の色素が含まれます。この根をシコンと呼びます。
根を掘り起こし水で綺麗に洗い乾燥させます、乾燥したら直ぐに根をお湯につけ、柔らかくなったら石臼に入れて杵で砕く、それを麻袋に入れて55℃のお湯につけてもむ、色がでなくなったら根を再び石臼ででつぶす、三回ほど繰り返します。シコンの媒染には椿の枯葉を燃やした灰汁(媒染剤)を希釈したものを使います。
紫色の液に布又は糸を入れて染めますが最初はほとんど色がつきません。またこれを水洗いしてから媒染液の中に入れると紫色に発色してきます。椿の灰汁にはアルミニウム塩が含まれていて繊維に色を定着させる働きをする。何度も染め重ねる事で美しい紫色になります。
紫は染色技術の中でも最も手間のかかる色とされてます。
♢紫色→紫草の根から抽出された染液を用いて染めます。江戸時代には、江戸紫は青みの紫、京紫は赤みの紫ともいわれました。

♢葡萄色→赤みがかった紫色、葡萄の実が黒ずんだ紫色に熟すその絞り汁ににてる色。

♢藤色→淡い青みのある紫色の花房をたらす藤の花の色

♢二藍色→藍と紅花を組み合わせ、二種類の藍の染料で染めたものという意味の紫色をこう呼びます。

♢けし紫色→くすんだ灰色がかった色合いが特徴。鮮やかな紫から華やかさや艶やかさを取り去ったような色。染液を一晩放置すると紫色の色素が分解して鼠色がかった紫になってきます。

♢菫色→やや濃いめの紫色。シコンで繰返し染めます。日本に古くからある和菫の色です。