漫画って面白い | まちよいブログ

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2014年4月に大腸全摘手術、8月ストマ閉鎖手術済み。術後のさらにその後も元気です。

最近読んで面白かった漫画のメモと、熱い思いを・・・。




結婚してから、ダンナの蔵書を読み漁っています。
しかし何分趣味が合わない(本当に合わない)ので、本棚を見渡して興味が持てたものだけ拾い読み。
中でも大当たりだったものを記録しておきます。

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)/浦沢 直樹
¥545
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主人公のコンビニ店長ケンヂは、小学生の頃に友人達と遊びで作った「よげんの書」の通りに世界に異変が起きていることを知り、
黒幕である謎の宗教団体の首謀者「ともだち」に立ち向かう。

みたいなお話。

黒幕の正体に賛否両論あるようですが、あの終わり方だからこそ出てくる余韻とか、黒幕の胸の内を思うと、
もう、もうっ、なんだかとても胸の中がチクチクします・・・。

ストーリーの秀逸さは言うまでもないですが、
草の匂いが濃い空き地とか、日焼け止めを塗らない肌がじりじり焼けていく感覚とか、
そういった夏休みっぽいものをたくさん思い出しました。

なんて面白い漫画を作る人なんだろうと、読了後も浦沢直樹に度ハマり。

Monster (1) (ビッグコミックス)/浦沢 直樹
¥524
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自分にスポーツの才能がないからか、あまりスポ根ものは読みません。
よって「YAWARA」には手を付けずに、シリアスなサスペンスもの「MONSTER」へ・・・。

ドイツで脳外科医として活躍するテンマは、ある日一人の少年ヨハンを助ける。
しかしヨハンは人を先導するカリスマ性を備えた殺人鬼で、テンマはヨハンを生かした責任をとるため追跡する・・・。
みたいな。

テンマのヨハン追跡劇にドキドキするのはもちろん、
作中其処此処に散りばめられたさまざまな人間のドラマに、感動したり悲しんだりの連続。

20世紀少年もそうだけど、こんな長編をよく飽きさせずに読ませるものです。すごい。

PLUTO 1 (1) 【豪華版】 ビッグコミックススペシャル/浦沢 直樹
¥1,851
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この表紙デザインが格好よすぎて、あえて豪華版の画像にしました。
アトムのフォルムの向こうにいるのが、序盤の中心人物ゲジヒトさん。

手塚治虫の「鉄腕アトム」の中の一編「地上最大のロボット」を浦沢直樹がリメイクした一作。
アトムのような人工知能を持ったロボットが人間と共存する世界で、
世界的に優秀なロボット開発者とそのロボットたちが殺害される事件が起き、その調査にアトムたちが乗り出す・・・
というようなお話。

序盤ではアトムの存在感が薄く、原作ではちらっとしか出てこなかったロボットの視点で話が進んでいき、
「これは本当に鉄腕アトムが原作なのだろうか・・・」と不安になりますが、それのどこに問題があったろうか!!!
というほど、大胆にストーリーをアレンジ、そして充実させています。

超面白い。映画化しないかな。

アトムのデザインがかわいいです。手塚治虫版アトムのフォルムは、前髪と後ろ髪のくせっ毛?で表現。ウランちゃんはツインテ。
20世紀少年のケンヂたちの子供の頃と比べても、なんという美少年デザイン。カンナに似てる。(というか、浦沢直樹漫画のヒロイン顔?)

ハリウッドで映画化しないかな~無理かな~。時事問題をがっつり皮肉っているからな~。

リトル・フォレスト(1) (ワイドKC アフタヌーン)/五十嵐 大介
¥1,026
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これはダンナがファンの橋本愛ちゃん主演で映画化されています。
映画を気に入って、DVDつけながら漫画を読むという暴挙に。

いち子は都会から故郷である“小森”に戻り、自給自足の生活をする。
自分で育てた食材で料理をしたり、家出した母のことを思い出したり、今の自分について考えてみたり・・・。

自家栽培の野菜や手作りお菓子が美味しそう、といったほっこり要素もたっぷりありますが、
一方で
「私は都会の生活から逃げてきて、行き場がないから小森にいるんだ」
「私はこれまでちゃんと他人と向き合ってきたのか」
「母にとって私はちゃんと家族だったのか」
とか、
思い悩むいち子の言葉が心に突き刺さります。

ただの田舎暮らしバンザイ漫画だと思っているとケガをする、素敵なお話でした。

ピンポン (1) (Big spirits comics special)/松本 大洋
¥944
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卓球部のエースのペコと、地味でやる気もないけど類まれな才能を持つスマイル。
自分の力を疑ったことのないペコは、幼い頃に卓球を教えたスマイルに実力を追い抜かれたことに焦り、スマイルは周囲からの天才扱いに気持ちが追い付かない・・・。

映画「ピンポン」が好きで好きで・・・窪塚洋介もARATAも本当にかっこよかった。
正直、松本大洋には興味がなかったのですが、「あの映画の原作だし」ということで読んでみました。

結果、「読んで本当によかった」。
こんなに読後感の爽やかな漫画ってほかにあるんだろうか。ないんじゃない?

自分がスポーツをしないせいか、スポ根ものってあまり興味がなく読まないのですが、
これは天真爛漫で自信家のペコが、スマイルの才能を目の当たりにして挫折をしたり、
スマイルは自分にとってのヒーローだったペコが挫折したことで、支えを失って苦悩したり、
心の機微に焦点が当たっているところが良いです。


バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)/一迅社
¥669
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ぶーちゃんが一期手術後すぐに「暇つぶしに」と持ってきてくれたおすすめ本でした。

本を読むのは面倒くさいけど読書家ぶりたい女の子、自称“バーナード嬢”。(バーナード・ショーをもじってる)
村上春樹から、聖書、トマス・ピンチョンなどなどとにかく読んだっぽく(実際に読むこともある)、何より読書家っぽく振る舞うことに心血を注ぐ。

私もエセ読書家なので、これはもう「わかるわ~」「あるわ~」の連続。
そしてバーナード嬢をとりまく本当の読書家たちも、自虐的に嬢に共感してしまうことのおかしさ。

いかに読書をせずに読書家ぶれるか、を考えている主人公なのに、
不思議と本が読みたくてしかたなくなります。

SF小説好きのツンデレ?ツンギレ?少女、神林さんがかわいいです。