平日は毎朝7時頃出勤し、夜は21時頃帰宅するというリズムを繰り返し、

土日は遊べる友だちもおらず、GWにガソリンが高騰した年で出かける気力も起こらず、


母とは別々に暮らし始めて最初は毎日のように着信がありましたが、

私が1度電話にすぐに出られなかったことがあって母が私の何かを疑い、それで揉めてそれから母からの電話は一切なくなりました。


親元から離れて、新しい場所の王国会館を探す気もさらさらなかったので接触が全くなくなり、

私は自由を得たはずなのに、


今まで積もりに積もった極度のストレスの反動が一気に来たようで、

工場内特有の会社の人間関係にも悩みだし、環境が変わったせいもあって、

彼と2度目の食事に行った頃には私は眠れなくなってしまいました。


毎晩、明日は6時に起きないと遅刻するから7時間は寝たいから23時には寝ないといけないと頭の中でひたすら逆算をして自分にプレッシャーをかけるせいで、

真夜中1時2時を超えても眠れない日が続きました。


そのうちもとからあった頭痛が酷くなり、次第に眼球を動かすだけで痛いので病院に行っても原因がわからないと帰されてしまいます。


そんな私を見て彼は心配してくれました。


ある金曜日の夜突然彼から電話が来て、『明日は予定ある?』と聞かれました。


土日ずっとひとりで家にいることを知っていましたので、気分転換をしたら頭痛も少しよくなるんじゃないかと言って、彼の運転で海遊館に連れて行ってくれました。


ジンベイザメがとても大きくてキレイだったこと、途中雨が降って彼が顔に似合わないピンク色のビニール傘を買ったのでかわいい人だなと思ったこと、

海遊館に隣接するホテルのカフェで一緒に食べたぶどうのタルトがものすごくおいしかったことがとても楽しくて幸せで、


その日は頭痛なんてどこかに行ってしまっていました。