私はとにかくSちゃんが心配で、

すぐに手紙を書いてお母さん姉妹に手紙を渡してもらえないかとお願いしました。


お母さん姉妹は優しいけれど厳格な人でもあり、

正規開拓者を降りて不活発に近い状態になった私からの手紙なんてなにが書いてあるか分からないし励ましにもならないものを

今信仰的にも落ち込んでいる大事な娘に読ませられないと言われるかもしれないと覚悟はしていました。


なので私は『心配だと思うのでSちゃんに渡す前に中身は先に見てもらっても大丈夫です。』

とお母さん姉妹に言って渡すと姉妹は受け取ってくださり、

1週間後Sちゃんからのお返事のお手紙をお母さん姉妹から受け取ることができました。


手紙には変わらないSちゃんの外見みたいにきれいな字で


『私はかめさんになってしまったんだ。』


と書かれていました。


この一文を見た瞬間すごく泣けてきて、

私はSちゃんに『会いたい、おうちにいっても大丈夫?』とお返事を書いてお母さん姉妹に託しました。


後日お母さん姉妹を通して渡された手紙には来てほしい日時が書かれていました。


私はお母さん姉妹に断られる覚悟でおうちにおじゃましてもいいかと訊ねると、

姉妹は憔悴しきった笑顔で『私からもお願いしてもいいかしら。』と言ってくださいました。


私はもう聖書を開いて人を励ますことはできません。

なのでケーキを買って、それだけ持ってSちゃんのおうちに行きました。


Sちゃんはただでさえ細いのにさらに瘦せていて、小さくてきれいな顔が小さく笑う姿を見て泣きそうになってしまったけれど、

ぐっとがまんしてなるべく笑顔でSちゃんとケーキを食べて、何気ない会話をしました。


Sちゃんはずっと笑顔を見せてくれたけれど、最後に


『私がこうなってしまってから手紙をくれたのも会いに来てくれたのもERIEちゃんだけだったよ。』


と言ったのです。


私はその瞬間もう涙が我慢できませんでした。


なんでこんな心がキレイで純粋で魅力的な人をみんなほったらかしにするのか?


長老はなにをしているのか?


あなたたちの方が聖書を広げて励ますのが得意でしょう?


主宰監督であるT兄弟、

あんたはSちゃんのことあんなに気に入ってなにかと頼りにしていたじゃないか、


なのにSちゃんが動けなくなったとたんに体調の心配すらなく捨て駒のような扱いですか。


今までK会衆の長老たちが不活発になってしまった人のところに励ましなんて一切行っていないのも、

巡回監督が回ってきた時だけ牧羊訪問して聖書を広げてえらそうに御託並べて取り繕っていることも知っていましたが、


Sちゃんが倒れてしまっても気にもせず平然と笑って王国会館でふんぞり返る長老共を思い出すと、どうしても怒りが抑えられなかったです。


それからSちゃんとは、Sちゃんが少しずつ体調が回復し復帰して私がK会衆を離れる直前まで交換日記という形でやり取りは続きました。