お散歩道のアヤメ?

エリー

最近残念な人が立て続けに亡くなった

 

「桂由美さんとフジコヘミングさんでしょ」

 

「そう、94歳と92歳

歳に不足はないけれど残念

 

桂由美さんは亡くなる4日前に

徹子の部屋の収録をしたんですって」

 

「素敵なウェディングを作ることに情熱を燃やし

高齢でありながら

亡くなる直前まで仕事をして

ある意味では幸せな人だよね」

 

「そうね

 

もう一人のフジコヘミングさんを

ママが初めて知ったのは

偶然つけたテレビ

 

フリフリひらひらのドレスを着たおばあさんが

これまたフリフリひらひらのお部屋で

ピアノを弾いていた

 

この人はだあれ?

思わず番組に引き込まれて行った

不思議な人だなあと思った

 

フジ子さんは

スウェーデン人の父親と

ピアニストの日本人の母親との間に生まれ

母に教えられ小さい頃から

ピアノを弾いていた

 

国籍がなかったため

赤十字の難民としてヨーロッパにわたり

バーンスタインに認められ

リサイタルという時になり

風邪をこじらせ

難聴になった

 

以来彼女はピアノの教師として生計を立て

日本に戻って母が残してくれた下北沢の家で

ピアノ教師をしていた

 

不思議な人だなあと思って

強く印象に残っている

 

そしたら数か月して急に

テレビやマスコミで取り上げられるようになり

リサイタルも頻繁に

 

彼女の言葉

『私に起こったこの20年のことが

私の人生のもっと早い時期に起きればよかったのに』

 

確かに

 

でも60歳後半で

マスコミに取り上げられるようになり

92歳で亡くなる1年半前には

憧れのショパンゆかりの島マジョルカ島で

コンサートを開き

60後半まで不運ではあったけれど

晩年で脚光を浴びたということは

幸せなことよね」

 

「そうだよね

90歳代まで情熱を持っているということは

すごいことだよね」

 

*      *