エリー
「ママ、小沢征爾さんが亡くなったね」
「音楽に対する情熱が素晴らしい人だったわね
ママね、1950年代の終わりに
オートバイでシベリアからヨーロッパへ行き
指揮の武者修行
フランスの音楽祭で優勝
という話を何かで読んだ時
何とすごい人なんだろうと思った」
「あの時代にヨーロッパに
一人でオートバイで行くなんて
すごいことだよね」
「その後も世界各地の交響楽団の
音楽監督を務め
若い人の育成に力を入れていた
ボストン近郊のタングルウッドに
世界中から若手の音楽家を集め指導
日本でも
若手の音楽家を起用して
ヨーロッパの一流音楽家と一緒に
オペラを上演」
「ママも昔上野の文化会館に
お向かいのお友だちと行ったよね」
「そうそう、帰りの特急に間に合うように
終わる10分前くらいに
後ろ髪をひかれるように引き上げたわ」
小沢征爾さんは寝ても覚めても
音楽のことばかり考えている
熱い情熱の人でした
* *