舞台美術も作品の見所なオペラ座の怪人。
久しぶりにシャンデリアが頭上を上がって行くのを見ると、
オペラ座だーーーわあーー(T-T)

と思ったのですけれど、何故か今回シャンデリアの中身が気になってしまって。
中身機械ですやんwみたいな。
そんなの、前からそうだったのにね。
綺麗で豪華なんです。
時計が逆回りしていくような…時が遡り、
当時のオペラ座へと変わってゆく重要なシーンです。
でも、なんだか世界観に入っていけなかったところがあったのかも。。
俳優さんが舞台に出て来て物語が進めば徐々に…いや、でもうん。。
28日のがら空きな客席の光景、これは思ったよりもショックが大きかったのかな。
観る側のコンディションも大切ですね。
トライアングルのみなさん。
だいぶお久しぶりな苫田クリスティーヌ。
ほんの少しすぼめたような口元と、ほんの少し困り眉、そんな表情がおしとやか…ってしっくりくる言葉ではないかな。
うーん、、、
時々歌うと貫禄を感じるんですけど、その表情や可愛らしい声や演技で少女らしさを感じつつ…
うーん、でもちょっとお姉さんに見えたかも。
クリスティーヌって難しい。
新人歌手らしさと、でもファントムが気に入る光る素質も見えないと、で。
下手すぎても上手すぎても…なその加減が。
ただ、苫田さんは可愛いかった(笑)。
鈴木ラウルは初日ぶり。
前回の舞台のように、食い込んでくるような感覚は今回はなかった。
楽しみにしていたのだけれど。。
初日はもっとグッと伝わってくるものがあったんだけどな。
ただ、ナチュラルメイクな鈴木さんはかっこよかった(笑)。
歯切れの悪い事ばかり書いておりますが
正直に申しますと
今回の遠征では感動できなかったんです
今回のオペラ座を観ていて、場面場面でピアンジやカルロッタの素晴らしい歌声に素敵だなあと思うことはあっても、肝心なストーリーに、ストーリーの軸となるトライアングルには心揺さぶられなかったのです。
わたしの心持ちもあるのかなと思いますが、なんだか違う舞台を観ているようで。。。
初日に観た時は、確かに失敗していたところもあったけれど、緊張や一生懸命さが伝わってきて好感が持てた。
なによりクリスティーヌへの愛を感じた。
これからますますファントムになっていかれるのだろうなぁ♪と楽しみにしていたのです。
でも今回は…
一言でいうと、『好みではなかった』
ということなのだと思います。
役者がかわれば感じかたも変わる。
演じる役者さんによって、同じ役を演じるのでもその方の解釈によって違ってくるのだと思います。
それぞれの役者さんの身体を通してでしか出逢えないファントム、強く伝わってくる感情ってあります。
それぞれのファントムからファントムという人物の違う側面が見えてきて、そこがミュージカルって楽しいなぁと思っています。
芝さんにも芝さんのファントム像がおありの事と思います。
でも、わたしにはそれをうまく感じる事が出来なかったのです。
激しく感情をさらけ出したかと思えば、場面が変わると表情がなくスッとしているところなど… あれ?って。
わたしには感情の流れを感じることが出来なくて。
疑問と戸惑いを感じながら観ていました。
『仮面に隠れて 生きてきたこの人生』
この人生。
どんな人生だったのかな?って想像できなかった。
『哀しみに満ち溢れて 憧れを宿していた』
この重要なセリフは真実味が帯びなくて…。
『クリスティーヌ、アイラーブユー』
では、愛を感じられなくて。。。
一生懸命舞台から感じ取ろうと思いながら観てはいたんですけど、
わたしには『哀しみ』を纏っているようにも、音楽や美しいものへの『憧れ』も、クリスティーヌへの『愛』も、残念ならがら感じることが出来ず、セリフや歌詞は言葉をなぞられているだけに聴こえてしまって
大変申し訳ないのですが…
ファントムに、見えなかった。
オーバーアクションや、墓場の歌いかた、語尾のはね上げ、カーテンコール…気になるところは多々ありましたが、
『ファントムという仮面の下にいる 独りの哀しき男』
を感じることが出来なかったのが、感動出来なかった一番の理由なのかなと思いました。
わたしはたぶん、どのファントムにもこれを求めているのだと思います。
エリック…
小説にはエリックという名前がついていますが、舞台にはエリックという名前は一切出て来ないですね。
怪人に名前がなくともいいんです。
でも、怪物と呼ばれ恐れられる男は、本当は哀しくて愛に飢えた一人の人間なんですってことを感じたくて。
怒りや憎しみという感情は、元を辿れば哀しみなのかなって、今のわたしは思っています。
『哀しみを纏う』きっと芝さんも表現されていたのだと思うのですが、わたしには伝わってこなかった。
正直、せっかく名古屋まで来て、しかも記念日にお祝いに来て、感動出来ないなんて…!
違うファントムが良かった、とも思ったのですが、これは仕方ない感性の問題なんだなと。
両日共にわたしの周りの席の方々は、ラストから泣いておられたり盛大な拍手やスタオベで、とても感動しておられるようでした。
終演後には芝さんへの賛辞の声も聞こえてきました。
いいなぁ…って、とても羨ましかった。
わたしも記念日に深い感動を味わいたかった。
感動できるって、当たり前の事ではないのですね。
こんなにも何も感じ取れないなんて、わたしの心がおかしいのかな…?
と、ぐるぐる悩んだりもしましたが、きっと100人いたら100通りの感想があるのだと、感性は人それぞれなのだと、自分の感性を大事にすることにしました。
なので、この記事を読んで不快な思いをされる方もいらっしゃるかもしれないと思いましたが、書かせていただきました。
不快な思いをさせてしまったら、ごめんなさい。
大好きな演目なので、きっとまた観る日がやってくると思いますが、その時は満員の客席で心から感動する舞台を観たいです。
長々と書いてしまいましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。