客席の状態は前記事に書いた通りで、これでは俳優さんのモチベーションは下がるのではないかなぁ…などと勝手に想像してしまいましたが、そんな中でも俳優さんは素敵なパフォーマンスで魅せてくださいました。

暗い感想ばかり書いてますけど、もちろんそればかりではなかったのです。
わーステキ素敵ー!!と思ったことももちろんありました。



わたしが今回の観劇で一番素敵だなあと思ったのは、マダム・ジリー役の秋本みな子さんです。

初めて拝見する俳優さんなのですが、以前はメグ・ジリー役をされていた方のようですね。
だからなのかな?作品に馴染んでいるというか…スッと入ってくるかんじでした。

声のトーンといい佇まいといい、厳しさが感じられるのが良かった。
マダム・ジリーがいると空気がピリッとする感じ。
瞬きをあまりせずに何処かを一点集中で見つめる視線は、どこかファントムに操られているような謎な雰囲気を醸し出していました。
実際マダム・ジリーとファントムの関係って…どうなんでしょうね?
でもこのハッキリわからないところが良いのでしょうね。
ご想像にお任せします的で、人それぞれの楽しみかたがありますもんね。

クリスティーヌがToMを歌い終わったあとにかける言葉の間とか速度も好き。
重くて、セリフがその空間に食い込むみたいな…
マスカレードでは娘のメグ・ジリーとくるくる~っと楽しそうに笑顔で踊ったり。
徐々に人間らしさを見せるようなかんじも、自然というか。

特におお!と思ったのが、マスカレード後ラウルにファントムの事を話すシーンでは
『口に出すのも、おぞましい…』みないな演技。
こんなに怖れてるマダム・ジリーって初めて観たかも?
でも、これがファントムに対する世の中の人の反応で、ファントムはこれまでそうやって色んな人から化け物扱いされて生きてきたんだろうなぁ…って想像出来たのが楽しかった。

オペラ座を観て楽しいって感想はおかしいかもしれませんが、決められた動きやセリフからでもその裏にあるものを想像させてくれる役者さんが個人的には好きです。
こうなのかな?ああなのかな?って。

観ていて興味が湧くし、楽しい。



マダム・ジリーだけで長くなっちゃったあせる

つづく!