エリザベート、楽しかった!

実在した人物オーストリア皇后エリザベートの生涯が綴られていく物語なわけですが、歴史的な流れにトート(死の擬人化)という不思議な存在が添えられているというところがおもしろい。

しかし…難しい!

少女の頃から生涯最期までエリザベートにつきまとうトート。
このトートの解釈がまた難しい~。
トートはエリザベートが自身の中でつくりあげた存在なのかな。
自由主義である父親の影響を受けて自由奔放に育ったエリザベートだったが、結婚し義母から酷い仕打ちをされ宮廷生活を窮屈に感じていた、自由を奪われた。
精神的に死んでいるというか… 自分らしく生きたい気持ち、心の中で葛藤があって、そのエリザベートの中での闇が具現化されて現れた存在?
人生の様々なシーンでトートが甘く囁きかけ、そしてそれを拒み続ける…

でもトートはルドルフやルキーニと接触しているし、少女の頃死にかけたエリザベートに恋をしたというようなトートの姿や言葉をみると、エリザベートの中で存在する者ではなくて別個で黄泉の帝王という存在がいるのかな?

うーん、、どうなんだろ。

この世の者とこの世の者でない者との愛…
エリザベートとトートの間にある『愛』というのも普通の男女の愛とは違うものに思うから二人の『愛』というのも自分が思っているもので良いのか謎です。。

また、狂言回しのルキーニ。
エリザベートを暗殺した張本人として冒頭で裁判にかけられ物語が始まっていくのですが、この物語自体ルキーニが全部でっち上げた話にも思えるし本当に死者をよみがえらせて話を展開しているようにも思えるしで、謎。

1回観ただけではなかなか難しい作品でした。
でも、そこが楽しいな。
興味ワキワキしています。
自分で見て感じてあれこれ考えるのって観劇の楽しさかなーなんて気がします。
以前レ・ミゼラブルを観たときにも思ったけれど、歴史や宗教の事を勉強すればより深く理解できるのかなー。
キリスト教徒の感覚がわたしにはわからなくって。
芸術を楽しむってある程度の知識が必要ですね。
だから敷居が高く感じる。でも、1度観てしまえば楽しいのよね~!
勉強します(^_^;)

…というわけで(?)また観たくなる作品でした。

舞台セットも重厚でゴシック調(っていうのか?!なんかスカルとかあったぞ…トートの羽もあったぞ…)で雰囲気出ていました。
映像もよく使われていました。
ただ… 高い建物(お墓)3つの上で歌い演じることも多くて、前方席に座ったら首が疲れました、ぐはっ!
2階席からのほうが観やすいかも?
衣装も豪華♪
音楽も耳に残るものが多かったな。
頭の中でしばらくキ~ッチュ!って言ってた(笑)
やはり生オケはいいですね♪


【エリザベート/花總まり】
日本初演エリザベート。
伝説のエリザベートを拝見できるなんて、とても幸運でした!
この役、少女から晩年まで幅広く演じるのですが花總さんの表現力の豊かさに驚きました!
少女時代のなんと可愛らしいこと…♪
皇帝に見初められ恋をした女性になり。子供を産み母になり。そして笑顔が消え… だんだんと顔つきが変わっていく様が見事でした。
良妻賢母とは決して言えないエリザベート。
利己的なのかな。
でも、トートに惑わされず自分の気持ちに嘘をつかずに生きていこうとするエリザベートは魅力的でありました。
歌声も綺麗なソプラノで、キンキンしなくて聴きやすかった♪
ご年齢を知って驚いたのですが、なんて美しい方なのでしょうか!

【トート/城田優】
昨年ファントムで舞台俳優としての城田さんを初めて拝見し、とても魅力的だったので今回も楽しみにしていました♪
歌い方が冷たい…!!
って最初に思いました。ファントムの態度はオドオドしつつもクリスティーヌ好きだよ!>////<な気持ちが伝わる愛溢れる優しくて情熱的な歌声とはうってかわって、冷たい、ひんや~りした印象でした。
でも…… 甘いんですよ、奥さん。(誰)
あんな歌声で迫られたらコロッと黄泉の国に行くわ…わたし…
特に低音が魅力的です。
じっとり、ねっとり… 声でからだ撫でられてますみたいな、なんなの、あれ…!!
実際エリザベートとの距離も近くて。
視線もねっとり冷たい。
なんだかいけないものを見ているような気分に(笑)
エリザベートとトートが並ぶと、ビジュアルがとても美しい。
お肌真っ白でね。触れたらひやっとしてそう。
色気も感じる魅惑の黄泉の帝王です。
どこを切り取っても絵になるなぁ。
はぁ…、すてき。
そういえばトートって客席下りがあるんですね。
わたしは今回通路側から4席奥に入った席だったので割と近くでトート観れました。かっこえぇ~…
通路側の女性は目が♡になってぽーっとしておられました(笑)
あの見た目であの歌声は…すごいな。
ちょっとけだるいようなふてぶてしいような(笑)態度も、 飄々とした異界の人物のように見えたり。
マント捌きも素敵だったわー…
初っぱな羽背負ってゴンドラから降りてきたときはもう降臨て言葉がぴったりだったわー…
魅力的なトートでした。

【フランツ/佐藤隆紀】
まず、素晴らしい声量の方だなあと思いました。
LE VELVETSのテノール担当の佐藤さんだと存じ上げていたのですが、前情報がなくともクラシック出身の方なんだろうなとわかる声の大きさと響き。
素敵な歌声ですね♪
そのお声、花總さんにも感じた声の使い分けが見事でした。
青年期から晩年期へと変わって行くと、お声も佇まいも変わっていって。
『夜のボート』って晩年の二人の歌なんですね。
二人のすれ違いに…(>_<。)
フランツは確かにマザコンかもしれないけれど立場があり国を思う皇帝でいなければならないわけで、、、
エリザベートに愛してると告げても告げても思いは伝わらず…。
また佐藤さんが人の良さそうなお顔をしているのでなんだか余計に切なくなりました。
ああ…フランツ…(ノ_<。)
佐藤さん、エリザベートと出逢いキラキラしていた頃から、ラストは哀愁漂う姿まで見事に演じておられました。

【ゾフィー/剣幸】
厳しい皇太后。
エリザベートに辛い思いをさせた張本人。
ですが、若いフランツを一国の皇帝にさせるため国を守っていくための言動だったのだと…彼女なりの愛を持っていたのだなあと… 最期にわかりました(^_^;)
やっていることは厳しいし、えっ?と思うこともあるのだけど、不思議と嫌いではない皇太后さまでした。
嫁姑問題はいつの時代にもあるんですね…!

【ルドルフ/京本大我】
フランツとエリザベートとの子供。
京本さん、ジャニーズの方なんですね。
歌…どうなんだろ?と未知でしたが、いやはや素晴らしかったです!
子供時代の池田優斗くんも素直なかわいいお声で子供らしくて良かった。
両親から見放され、孤独のルドルフ。
この子なんにも悪くないよ…!
子供時代から大人になってもずっと幸せそうな場面がないルドルフ(>_<)
最期、トートに操られているかのようなダンスの動きと拳銃を頭に突きつける表情など見いってしまいました。
ルドルフに一番泣きました…  。

【ルキーニ/尾上松也】
最初からラストまで、ずーっとでずっぱりのルキーニ。
セリフは多いし歌うし踊るし笑かすし着替えるしで、本当に大変な役ですね!
そんなルキーニ、つい目で追ってしまいます。
でも不思議なことにスッと消えてまたいつの間にか舞台にいるんです。すごい。
悪い表情やら間の取り方やら魅せ方が素晴らしいなあ。
歌声は高音がきついのかな?と思うところもありましたが、さほど気になることもなく。
松也さんにたくさん拍手を贈りました。
歌舞伎の松也さんも観てみたいな。

【アンサンブル・トートダンサー】
冒頭からアンサンブルのみなさんの歌声、厚みがあって素敵です!
実力者の方々が揃っているのだろうなあと思いました。
アンサンブルさんの中に、以前瀧山さんのライヴやコンサートで共演された朝隈さんと未莉亜ちゃんのお姿もすぐに確認できました♪
朝隈さん、あんなに低音でしたか!良く響く素敵なお声でした。
未莉亜ちゃんは可愛いなあ♪
セクシーなカッコにはドキドキしちゃった(*・_・*)
セクシーといえば、トートダンサー!
衣装も動きも魅力的です♪



エリザベート、今回はこの1枚しかチケットを取っていなかったのですがすぐにでもまた観たくなりました。
またひとつ、素敵な、そして好みの作品に出逢えました。嬉しい(*^o^*)
いつか、通って研究してみたいなあ。
まだまだ理解しきっていないところがたくさんあると思うので。
興味ワキワキしています♪


動画を観てまたエリザベートの世界にちょっとだけ浸ります…♪

エリザベート プロモーション映像

しろたんトートの
壁ドンが観れまっせ、奥さん(    ´ ∀ ` )