名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
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2026.5.6
ゴールデンウィーク最終日、息子と2人で日本科学未来館へ。久しぶりだけれども、特別展は会期中ではないし、ドームシアターの上映作品も変わっていなかったので、軽い気持ちで向かった。昨年訪れた時と変わったことと言えば、シアタールームとイノベーションホールが出来たこと。シアタールームは並んで整理券を取って、15分位の映像を観るのだけれど、正直物足りなかった。イノベーションホールの方は、息子が全く興味を示さず、入らず仕舞い。常設展の方で、落合陽一さんが監修した「計算機と自然、計算機の自然」という展示が、私は好みだったな。次の特別展は7月から「大南極展」らしいのだけれど、どうかな、面白いのかな?
2026.5.23
息子の小学校の運動会。3年生になって1度も体育に参加していないし、運動会の練習もずっと見学だったので、本番も参加は無理だろうと言う事で、担任の先生と話し合った。出来るだけ見学、応援はするとして、時間に耐えられなかったら、保護者の休憩所となっている体育館でタブレット学習していいことになった。有り難過ぎる。私は、息子のクラスメイト達に、「短距離走応援してね!」と口々に言われていたので、熱くエールを送った。息子も私に釣られて興奮気味になっていた。結局、同じ3年生の出る種目しか見られず、他の時間は体育館で過ごした。一応、赤組と白組に分かれていて、最終的に息子の組は負けてしまった。そこからが大変。息子は競技に参加してもいないのに、泣いて怒り狂う。運動会終了後に椅子を持って教室に戻らなければならないのだけれど、全くもって無理だったので、私は冷や汗をかいて立ち往生していたら、2年生の時の担任の先生が声を掛けてくれて、椅子を持って行ってくれた。何て優しいのだろう...。その優しさに、涙目になってしまった。私は息子を連れて、そのまま帰宅した。
2026.5.24
夫と夫の親友が、小学生の頃相撲をやっていて、息子にも稽古をつけたところ、少し興味を持っていたので、4人で相撲教室の見学に行くことに。初めてまわしを着けてもらって、いざ稽古開始。子供達の真剣さに身が引き締まる。体格的にはかなり向いていそうな息子。でも運動は嫌い、体育も参加していないので、心配ながら見守る。稽古は3時間。取組(ぶつかり稽古?)の時間になると、より一層緊張感が高まる。全身全霊で当たっていく子供達。苦しそうに嗚咽しながらも何度も立ち上がる。後で聞いた話だと、見学者で3時間最後まで居られる子は少ないみたい。息子はきっちり最後まで土俵に居た。頑張ったね。でもやっぱり入会は見送った。貴重な経験が出来たという事で、良かったよ。
📽️映画📽️
Amazon Prime Videoのレンタル作品、GWセールと銘打って、たったの100円!2本目に観たのは、ジェームズマンゴールド「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」。大好きなティモシーシャラメがボブディランを演じている。歌も演奏も何でも出来ちゃうんだよな、ティモテは。ピート役のエドワードノートンも好演。役者陣の器用さが伝わる作品だった。描き方は違うと思うけれども、トッドヘインズ「アイムノットゼア」もずっと観たいと思ってる。配信ないんだよなー。
Amazon Prime Videoで、ウェスアンダーソン「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」を鑑賞。面白かったー!もの凄い豪華キャスト陣。父娘の家族愛の物語だけれど、脚本が良い。さすがウェスアンダーソン。命を狙われまくっているザ・ザ・コルダが、ちょくちょく天国の門に行っては帰って来て、修道女の娘の影響もあってか、回心していく様子が微笑ましくて、私は大好きな作品だった。ザ・ザ・コルダの家の絵画のほとんどに、本物が使われていたらしい。凄い拘り。感心しきり。
ナタリーバイの訃報を受けて。私はグザヴィエドラン監督作2本でしか観ていなかったけれど、好きな俳優さんだなぁと思っていたので、他の出演作ももっと観よう!というわけで、Amazon Prime Videoで、グザヴィエボーヴォア「田園の守り人たち」を鑑賞。第一次世界大戦下のフランスの農村。1915年から1919年まで、次々と戦争に狩られていく男性達の陰で、農場や家を静かに、切々と守り抜く女性達の強かさに胸打たれた。ミレーの絵画を彷彿とさせる美しい風景。まるで絵画が動き出したよう。実際の母娘であるナタリーバイとローラスメットが演じているので、とても自然な芝居に感じる。オルタンスの無慈悲な決断には胸が苦しくなった。対してフランシーヌの何とも逞しいことよ。
続けてナタリーバイ主演作を。Amazon Prime Videoで、シルヴィオハヨン「オートクチュール」を鑑賞。Diorの引退間近のお針子をナタリーバイが、サン=ドニの団地に暮らす移民2世の不良少女をリナクードリが演じる。現代フランスのリアルが詰まった作品だと思った。移民、宗教、LGBTQからくる差別や格差。でも決して湿っぽくはなく。エステルの後任カトリーヌが意地悪なお針子アンドレに放つ、「大変なのはあなただけじゃない、みんな問題を抱えているのよ。」という台詞が沁みた。監督はフランスで著名な小説家らしい。2時間無い長さの作品に、人生の機微が上手く描かれていた。好きな映画10本に入るかも。
📖読書📖
四方田犬彦「映画誌への招待」を読了。1998年に岩波書店から刊行された本の文庫化。文庫化にあたって、タイトルが「映画史への招待」から「映画誌への招待」に変わっており、2篇のエッセイが追加されている。とても勉強になった。映画批評に関しては、多くの書物を読んだり、話を聞く機会があるものの、映画史となると、大して触れてこなかった。もっと映画と歴史、国家を結び付けて観なくては、と思ったし、これからの映画史はどのように変容していくのだろうと考えるきっかけとなった。四方田さんのアカデミックな語り口が説得力あって、私は好きなんだ。
四方田さんの著書をもっと読みたくなって、カバー写真に「アギーレ 神の怒り」が使われている、「俺は死ぬまで映画を観るぞ」を購入。1985年から2010年までの、映画に纏わる時評を集めたもの。これまた配信では観られない作品のオンパレードで辛いところ。私の好きなブリジットバルドー、ブニュエル、パゾリーニ、オリヴェイラのことが語られているところはとても楽しく。あまりよく知らないアジア圏の監督や作品が語られているところは興味深く読んだ。あぁ、また観たい映画リストがどさっと増えてしまったなぁ。私も死ぬまで映画を観るぞ‼︎
2026.4.6
小学校は始業式。息子の学校は今年度から、毎年クラス替え。人が苦手な息子は、いつも1時間目にギリギリ間に合うくらい、みんなと登校時間を少しずらして、遅刻して行く感じなのだけれど、クラス発表と担任発表があるからには、時間通りに行くしかない。不安と期待が入り混じる緊張状態で校門をくぐると、名簿が配られている最中だった。クラス別に分かれて並び、始業式が始まった。私は息子に付き添って、列の1番後ろにつく。担任の先生の発表があって、中堅の穏やかそうな男の先生で、安心した。息子も空気感で大丈夫だと思ったのか、私が「先生も分かったし、もう仕事行くね。」と伝えると、静かに頷いた。帰宅後、息子は機嫌が良かったので、新しいクラスを気に入ったのかもしれないと思った。
2026.4.15
ユーロスペースで特集上映中のハル・ハートリー90'sインディーズの伝説、「ヘンリーフール」の回を観に渋谷まで。私はロングアイランドトリロジー3作品と「愛・アマチュア」を観て、監督の大ファンになった訳だけれど、その後の作品を全く観られていなかったので、今回の特集上映を楽しみにしていた。「ヘンリーフール」面白かった〜!カンヌで脚本賞を取っているのか。流石だわ。全編コメディなのだけれども、悲哀も感じる。ハルハートリーの作品には犯罪者がよく出てくる。でもみんな深く知ると愛すべき人間で、そこがいい。続編の「フェイ・グリム」と「ネッド・ライフル」も必ず観ないとね。配信、どこも観られないので辛い。
2026.4.25
45歳の誕生日。ここまで来ると、人生悲喜交々、経験値が上がり切って、メンタルは最強に近づきつつある。これからもっと強くなっていくのだろうか。嬉しいような恐ろしいような。ちなみに、私はおばさんって呼ばれるの全く問題ないタイプ。事実、伯母だし。ばばあは悪意があるから嫌だけど。中年である事もすんなり受け入れている。この調子でおばあちゃんまで、気楽に生きて行けたらいいな。
📽️映画📽️
Amazon Prime Videoで、「エディントンへようこそ」を鑑賞。いやー、観客をぐっと引き込むね。アリアスター監督は。コロナ下のニューメキシコ州を舞台に、保安官ジョーが災難に見舞われ、七転八倒するストーリー。それまでいい人だと思っていたジョーが限界に達したのか、テッドを殺害したあたりからどんどん悪い方向へ。うん、ジョーはホアキンフェニックスが適役だね。「ボーはおそれている」に引き続き、笑っちゃいけない話だけど笑っちゃう、ホアキンのドタバタ悲喜劇を心ゆくまで堪能出来る作品だった。
Amazon Prime Videoで、ロバートエガース「ウィッチ」を鑑賞。監督の「ノスフェラトゥ」がかなり好かったので、遡って初長編作品を観ることに。こちらも好きだったぁ。主演のアニャテイラージョイが、惨劇の中にあっても美しいのなんの。ストーリーはセイラム魔女裁判を下敷きにしているらしい。女性であり、抑圧を忌み嫌う私としては、聖女と魔女の表裏一体について考えさせられた。リュックベッソンの「ジャンヌダルク」とか、また観返したくなったな。
Amazon Prime Videoで、「ぼくのエリ 200歳の少女」を鑑賞。わたしもエリ、奇しくも45歳の誕生日当日に観た。公開当時(日本だと2010年)、吸血鬼ものだと思わず、観逃していた。ようやく観られて嬉しい。いじめられっ子のオスカーと、吸血鬼のエリの純愛ストーリー。私は吸血鬼ものであり、クィア映画でもあると受け取ったのだけれど、どうなんだろう。原作小説も読まないとかな。ストーリー終盤、エリは状況的にかなり追い詰められているのに、めちゃくちゃ強い。カッコイイ。スキ。
Amazon Prime Videoのレンタル作品、GWセールと銘打って、たったの100円!これは、今すぐ観なくては!と思い立って、先ずはトマカイエ「動物界」を鑑賞。好かったー。人間が徐々に動物化してしまう世界。隔離はせざるを得ないものの、決して排除という考えには及ばずに、共存を選び、手を尽くす。人間の善い所が前面に押し出されていて、清々しい気持ちになった。息子エミール役のポールキルヒャーもさることながら、父フランソワ役のロマンデュリスがハマり役だった。ロマンデュリスって、フランソワオゾン「彼は秘密の女ともだち」のダヴィッドか!何処となく私の夫に似ている気がして、好みのタイプなのかも。ラストシーンは細田守「おおかみこどもの雨と雪」だなと思ったけれども、私は「おおかみ〜」も劇場で大泣きする程好きな作品。「おおかみ〜」が父親不在だったのに対し、こちらは父親がちゃんと子育てして、自らも成長しているので、よりブラッシュアップされたストーリーになっていると思う。トマカイエ監督は今後も要注目していきたい。
📖読書📖
オスカーワイルド評論選「社会主義下の人間の魂」を読了。訳者は町本亮大さん。オスカーワイルドは子供の頃から大好きだけれども、評論は読んでこなかった。そろそろ評論も刺さる齢ではないか。準備は出来ている気がして、小鳥遊書房から素敵な装丁の新刊が出たことだし、迷わず手に取った。社会主義下に人間がどう生きるべきか、イエスキリストの「汝自身であれ」というメッセージを汲み取り、個人主義こそ我々が到達すべきものと結論づけている。ワイルドの言っている事、一から十まで全ての内容に頷けた。本が付箋だらけになってしまった。「国家が役に立つものを作り、個人は美しいものを作るようになる。」「完全な個性の持つ声色は、反抗ではなく、平穏である。」何たるユートピア。生ある内に、少しでも近づきたいね。
芥川龍之介選「英米怪異・幻想譚」を読了。積んであったのを引っ張り出してきた。2018年に単行本で出版されたものの文庫化。まず、表紙や扉絵に、ビアズリーが描いた「イエローブック」の挿絵が使われている時点で即買い。芥川が東大の英文科で、洋書好きというのは知っていたけれども、とんでもない多読・速読だったというのは知らなんだ。羨ましい。そんな芥川が選んだ22の短篇に、私も好きなワイルドやポーはしっかり入っていて、前から気になっていたM.R.ジェイムズ、名前も知らないE.M.グッドマンなど、幅広い作家の作品が並んでいて、読み応えがあった。訳者陣も豪華。
2026.3.16〜18
夫が心房粗動・心房細動の手術を受ける為に、3日間入院。心配ではあったけれども、手術前に担当医師による詳しい説明があり、それが本当に理解し易く、要点が纏まっていて、PCモニターで視覚的にも情報をじゃんじゃん与えてくれたので、安心してお任せ出来た。術後の経過も良く、不整脈や眩暈が完全に無くなったみたい。歳を重ねると身体の不調は出てくるものだけれど、予防と治療に努めて、長生きしたいね。
2026.3.25
息子の小学校も修了式を迎え、春休み初日。丸の内KITTE内にある博物館、インターメディアテクで特別展示されている、「メテオラプソディ-隕石探索」を鑑賞しに行って来た。初めて訪れたのだけれど、凄く好みな空間。東京大学総合研究博物館が運営しているだけあって、圧巻のラインナップ。常設展は自然博物系なのかな、息子は今のところ宇宙にしか興味が無い様で、一目散に特別展示へ。私は全部時間を掛けて見て回りたかったな。また1人でも来るとしよう。メテオラプソディ、好い展示だったなぁ。帰り際、ショップに寄ると、興味深い本が並んでいて、過去の特別展かな?宇宙資源展の本を購入した。
2026.3.27〜28
春休みなので、1泊2日で私の実家へ。甥っ子とも先月の約束通り、会う事が出来た。私と子供2人でマイクラやろーと思っていたものの、アプデの影響か、それまで出来ていたマルチプレイが何故か出来ず。意気消沈。子供達は仕方なくロブロックスをやっていた。父、母、妹も元気にしていて、安心した。
📽️映画📽️
Amazon Prime Videoでロバートエガース「ノスフェラトゥ」を鑑賞。また新たなノスフェラトゥの傑作が生まれたのね。私は吸血鬼ものが好きで、特にノスフェラトゥの系譜を好む。ヘルツォーク版を超えるものは出ないだろうなぁと思っていたけれど、並んだかもしれない。ラストの吸血シーンのリリーローズデップの何とも美しいことよ。ロバートエガース監督は、「ライトハウス」公開時も、「ノースマン」公開時も魅かれていたものの、観逃していて、悔しい気持ち。今からでも全作品観て、好きな監督リストに入れたい。
Amazon Prime Videoのレンタルで、テレンスフィッシャー「吸血鬼ドラキュラ」を鑑賞。「澁澤龍彦映画論集成」の中でこの作品が言及されていたので、観ておきたかった。世代が離れているからか、私にはそれ程ささらなかった。ピーターカッシングのヴァンヘルシングにはそそられたので、「フランケンシュタインの逆襲」も観ておきたいな。
灰谷魚「レモネードに彗星」を読んだ。灰谷さんは、ユリイカ1月号「特集アリアスター」に寄稿されていて、軽快な文章に惹かれたので、この短編集を手に取った。小説はポップで可笑しくて、少し切なさもある。おそらく私と同世代くらいなのかな、作中の主人公と友人との距離感が、高校生の頃のノリに近いものを感じた。
ジャミルジャンコチャイ「きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする」を読了。こちらも、ユリイカに寄稿されていた矢倉喬士さんが訳者だという事で興味を持って、購入。凄い、好み。まだ若い方なので、大作家になりそう。既に文学賞はいくつか受賞していらっしゃる。私はクリスチャンだし、ムスリムの作家の作品に、何処まで没入出来るのか分からなかったけれども、それはもう、夢中で読み進めた。読み終えた時には、完全にファンになっていた。これからも追い続けるだろうな。