NY留学記の続きのような記事ですが、日本から離れて気が付いたことの一つに、
『日本人のしなやかさ』がありました。
もの越しの柔らかさ、呼吸の深さ、頭の柔らかさ、感情にとらわれない心の柔らかさも、日本人らしい『しなやかさ』のひとつだと思います。
日本人でしたら一度は聞いたことがあるでしょうか、『和を以って貴しとなす』のいうことわざがありますね。
実はこの言葉、高校生のときに必修科目だった孔子の論語で、『以和為貴』で学んだことがありました。
「調和を大切にして、争いごとを避けましょう。」
という意味ですが、そのほかにも、
「例え意見が違くともお互いの意見を受け入れて、しっかりと話し合いをし、その上で相手を尊重して歩み寄っていこう!」
という意味も含まれています。
どっちかというと、2つ目の意味の方が大事かもしれません!!
おそらくですが、日本人に備わっている『しなやかさ』とは、この言葉にあるような和の心から来ていると思うんです。
今日は、あるご夫婦の生徒さんたちと、レッスンが終わったあとに立ち話をしていました。
奥さまから、「男性からリードを受けたときに、おかしな方向に行きそうになってしまったらどうしたらいいですか?」という質問があって。
この悩み、女性ならよく遭遇しますよね( ˊᵕˋ ;)
びっくりしてしまい、「あれれぇ〜どこ行けばいいんだ?」と思うときもありました。
お2人ともとても熱心な方なので、奥さまのも正しいステップと正しい方向をきちんと理解して踊ろうとしています。
素晴らしい!!!
私はどう伝えたら良いか、悩みました。
無意識的に私がやっていること、そして失敗したことも上手く伝えたい。
その時は、「自分が習ったことでしたらそれを正しいと信じてまずその通りに踊ってみて。」とアドバイスしたのですが、果たしてきちんと伝わったのか心配で、そのあとちょっと考えてみたんです。
そして私が出した結論は、
①男性が何故その方向にリードしたのか、理由を考えてみる。踊っている時はダンスを止めたくないので、踊りながら自分のことが疎かにならないように、そして相手にも集中して感じてみる。
②もしそのリードが、男性側が理解していなくて無意識のものだったら、あるいはバランスを崩してしまったりして男性にとっても意図していないものだったら、優しく導いてあげましょう。腕でなく、ボディの移動や自らの体幹から来る動きで。
そして、もしも意図して違う方向にリードしているものだったら、それを汲んでその方向に進めるように協力しましょう。
③そして、踊り終わったあとに、必ず話し合いをしましょう。喧嘩ではなく冷静に、相手を尊重して、自分がどう感じ、どう思って、結果的にどのように踊ることを選択したのかということを伝え、そして相手の意見も聞いてみて、2人の結論を出してみる。
↑↑↑これとっても大事ですよ♡
お互いの意識や認識に違いが生じた時に、なるべく早くに話し合いをして、その理由を理解すること。そうすれば次踊るときのすれ違いが少なくなり、2人の間のハーモニーも、より作りやすくなります。
(③)もちろん、コーチャーなど正しい踊り方を教えてくれる人に2人で習うこともとっても大事です。共通の理解が必要なんですよね。
社交ダンスは正しい踊り方という基準を理解していないと、トラブルも多くなってしまう踊りなんです。
①と②は冒頭にご紹介した言葉、『以和為貴』に通ずるものがあると思うんです。
踊りの中で違いがもしも生じてしまった場合も、和の心を持って、話し合いを経て調和を求めていく。
西洋の踊りなのに和の心が生かせるなんて、何とも不思議ですね!
パートナーはリーダーの考えを汲み取って、フォローして自ら踊り、そしてそれをリーダーも理解して次に繋げていく。
話し合いがさらなるフォローにもなります。
2人の踊りが上向きの螺旋状を描いていく、きっと素敵なパートナーシップを育んでいけることでしょう。
もしも頭を使い過ぎてしまっていたり、身体が硬くなってしまっていたりして、思考と身体がもしも一致しなかったら、深呼吸をして、ストレッチをしてみてください。
特に肩甲骨、股関節、首周りを緩めると体幹が目覚めてきて、頭と身体が繋がりやすくなりますよ。
今日みたいに寒い日には、白湯を飲んだり、背中の首の付け根あたりや腰にホッカイロを貼ったりして、温めるのも効果的です。
最後に『以和為貴』を英訳で。
“Harmony is the greatest of virtues.”(調和は最大の美徳である。)
私も頭と心と身体をしなやかに使って、2人のハーモニーを生かしたHappyで素敵なダンスがしたいものです♡
一緒に目指していけたらいいな♡♡