先週末は東京バレエ団の
『ベジャールのくるみ割り人形』✨
この作品を初めて観たのは1999年で
それはまさに
私がバレエに目覚めた年‼️
ギエムの『ボレロ』や
首藤さんが生贄の『春の祭典』と
バレエと言うより
ベジャール作品への目覚めでした✨
『ボレロ』はすごく面白いけど、
『春の祭典』は
ちょっとドリフみたいで
へんな振付だなあ…と思ったのを
覚えてます…
で、その流れで観た
『くるみ割り人形』は
ベジャール氏が
自分の幼少期を振り返る
とても私的な作品
7歳で母を亡くしたビム少年が
クリスマスに見た夢を軸に
憧れのプティパやファウスト、
飼い猫のフェリックスが登場して
母の思い出を手繰る物語なんですが、
当時の私はまったく
面白いと思えませんでした…💧
まあ、
感性が未熟だったんですね
それでもベジャール作品には
心惹かれるものがあって
今まで見続けて来て、
経験を重ね、年を重ねた今、
『くるみ割り人形』は
深く深く心に染みて
泣ける場面がいっぱい…‼️
冒頭の
「思い出すなあ…クリスマス!」
と、たどたどしい日本語の
ベジャールさんの映像から
もう泣ける‼️
この映像を初めて観た時は、
ベジャールさんもお元気だったし
「フランス語で字幕付けたら…?」
と思ったけど、
日本語だからなお良い‼️と
今は感じます…
ビムとママのパ・ド・ドゥは
チャイコフスキーの音楽も相まって
涙、涙…でした
そして、
今回の公演を最後に
ふたりのプリンシパルが
バレエ団を去る事に…
土曜日は渡辺理恵さんの退団、
日曜日は木村和夫さんの引退公演で、
ファンとしては何があっても
両日とも外せない公演でした
圧倒的な母性に輝いていて
素晴らしかった…‼️‼️
透明感、清潔感、処女性と
聖母マリアに通じる
完璧な母でした✨✨✨
退団はとても残念ですが、
ダンサーとして
最高に輝いている今だからこそ、
これからの活躍に期待しています‼️
今回はM..役。
M..はマリウス・プティパであり、
ビムの父であり、
狂言回しの役割もあり、
ずっと舞台の上にいる大変な役‼️
(土曜日のM..は秋元さん✨✨✨)
私は木村さんの踊りが
大好きだったので、
これが見納めだと思ったら
とても淋しいです…
でもこんな素敵な作品で
素晴らしい役をきちっと演じて
終わりに出来るダンサーは
なかなかいません…‼️
これから指導者として
東京バレエ団に残って下さる事は
とても大きな財産だと思います…‼️
キム兄、
15歳で入団してから34年間、
本当にお疲れ様でした✨✨✨
そんな感動の中で…。
今回は公演直前に
ソリストの入戸野伊織さんが
逮捕されるという事態から
東京バレエ団を
契約解除となりました。
彼は今回の公演で
猫のフェリックス、
ソ連のバリエーションと
高度なテクニックを要する
重要な役を踊るはずだったので、
とても楽しみにしていたんです…
逮捕といっても
起訴されるかどうかも
まだわからない案件なのに、
こんな風に大きく報道されて
すべてを失う事になるなんて…。
自分の名前で
表舞台に立っているという
自覚が足りない…
と言えばそれまでですが、
いずれプリンシパルにも
なれるであろう逸材だったので、
本当に残念というより他ないです…。
ダンサーの生命は短い。
その命ある間に
彼がまた
舞台に立てる日が来る事を
祈ります…。