先日終わった個展「成長する壁」についてメインの作品について



こちらは、成長すると名はありますが、これは完成形態ではありません。
購入者のみが一度破壊してさらに再生したものを完成形態として見られるというかなり意地悪な展示になっています。
なんでこういう展示になったかというと説明します。

「成長する壁」について

過去の作品・アイデアが集合し解体をして、それをさらに切り離しては合成したりと
繰り返し。
それを「壁」という形で表現したくてこの作品を制作しました。

この制作する上で感じる「壁」は私にとっては不思議とマイナスなイメージでの壁ではなく「自分なりの進み方でたとえ世界に背を向けても徐々に成長したい」という思いも作品にこめています。

今回の成長する壁の個展名に参考にした阿部公房の「壁」という作品に

『見渡すかぎりの荒野です。その中でぼくは静かに果てしなく成長してゆく壁なのです。』
(※安部公房「壁」第1部「S・カルマ氏の犯罪」より)
という表記があります。
壁 (新潮文庫) (文庫) / 安部公房
¥529
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※安部公房「壁」
ある日突然「名前」を失ってしまった主人公が世界から存在や帰属する場所もなくなってしまってやがて自分自身が壁になってしまう話。

壁になってS・カルマという「名前」の現実世界から解放された主人公
そのなかで静かに成長してゆく壁という表記にとても私の中で共鳴を感じました。

一度出来上がったものはときに歩美を妨げる壁になったり、それに助けられてまた新たな作品にかわっていくこともあります。
このような意味で私の作品と創作過程はまさに「成長する壁」なのです。

今回は一枚の紙にえがいていますが、購入していただいた方が自分の好きな部分をえらんでいただき個展終了後に私がさらに付け加えたもので完成する作品となっています。
いまはその作業中です。完成物は基本私の方では公開しません。
買っていただいた方のものになります。

もし共通のお知り合いがいましたら是非その方に(笑)