6000体以上の使用済み核燃料が貯蔵される「共用プール」。
現場写真が出ましたので、関連情報など。
核燃料共用プールを事故後初公開…福島第一 (読売)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130205-OYT1T01350.htm?from=ylist
『東京電力福島第一原発の廃炉に向け、原子炉建屋から取り出した使用済み核燃料を搬入する共用プールが5日、原発事故後初めて、報道陣に公開された。』
以下引用。
『プールは、4号機近くの専用建屋3階にあり、縦29メートル、横12メートル、深さ11メートル。現在、燃料が収容された約4・5メートルの筒状容器計6377本が整然と並んで沈められている。』
『東電によると、プール内の燃料は今後、専用容器に入れ替えて原発構内の高台に建設する施設で保管。空いたスペースに、廃炉となる1~4号機から取り出した燃料を搬入する。4号機は、今年11月の燃料取り出しを予定している。』
1~4号機から取り出した燃料を共用プールで保管する為に、
現在貯蔵されている分を別の保管施設(建設中)に移す、という計画。
この計画については、原子力規制委員会で検討会議が進められてます。
今回の共用プールの公開も、会議の進捗を踏まえたものかと思われます。
原子力規制委員会 特定原子力施設監視・評価検討会
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi/
とりあえず、最新の2月1日に行われた会議の資料を見てみる。
福島第一原子力発電所 4号機使用済燃料プール等からの使用済燃料取り出しの安全性について
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi/data/0003_03.pdf
★燃料体の数
1~6号機の燃料数が書かれてる部分があるので、現状確認の為に拡大してみます。
1~6号機合計、5936体。
それに共用プールの6377体を足した12313体が、現在非常事態であると。
★乾式キャスク保管
同様に、建設中の「乾式キャスク仮保管設備」の部分も拡大してみる。
資料によると、ここで13年~18年冷却管理を行うとの事。
その後は書かれてませんが、最終処分方法が確立してない以上は当然未定です。
「順送り」の最後について、僕らはいずれ直面を迫られる事になります。
★取り出し作業について
4号機からの燃料取り出し作業についても、安全対策が列挙されてます。
ただし、次の文章が付く。
「種々の安全対策を実施していることから
燃料集合体が落下することは想定できない」
別に茶化す気は無いんですが(^_^;)
でも怖いじゃないですか。
あれだけ「国際アドバイザーを招いて組織改善」がどうとか言ってたくせに、
まだ平気で「想定外」が出て来る。
一応最後に、燃料落下についての超楽観的なシナリオが書かれてますけど。
意味あるんでしょうか、これ。
★関連する問題について
最後に、他ブログ様による情報も紹介しておきます。
『ざまあみやがれい!』 様
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65840604.html
乾式キャスク保管が前例化された場合、
「使用済み燃料プール満杯問題」の解決策と見なされるのでは?
という視点を提起されてます。
確かに「仮説トイレ」であっても「トイレ」が用意出来るなら、
「原発は続けられる」と言い易くなりますね。
『晴耕雨読』 様
http://sun.ap.teacup.com/souun/9602.html
福一作業員「ハッピー」さんのツイートをまとめておられる記事。
「乾式キャスクはアメリカ製」など、色々興味深い内容でした。
中でもハッピーさん達の話に出た、
「福一だけでも大変なのに日本にはあと53基もある」
という問題。
統計サイトに、全国の使用済み燃料貯蔵量データがありました。
社会実情データ図録
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4110.html
貯蔵量1位は柏崎刈羽の2300t
福一は2位の1960t
全国足すと14170t
これに、表に含まれていない六ヶ所村の2860tがプラスされる。
燃料プールの容量も限界が近い。
たとえ福一の事故が起きなくても、
いずれ直面しなければならなかった問題なんですよね。