どうしても今書いておきたいので。
去年法政大学が行った研究では、福井県が幸福度一位でしたよね。
法政大学
「47都道府県の幸福度に関する研究成果」
http://www.hosei.ac.jp/koho/photo/2011/111110.html
同・PDF
http://www.hosei.ac.jp/documents/koho/photo/2011/11/20111110.pdf
当時の記事が残ってました。
幸福度トップ福井、東京38位、最下位大阪 (日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO37549110U1A221C1ML0000/
ちょうどブータンの国王夫妻が来日中でしたね。
西川知事は胸を張って「幸福度一位」の件を伝えたとの事。
でもちょっと待ってほしい。
この法政大学の研究って、別にアンケートじゃないですよ。
PDFを見れば書いてますが、研究チームが設定した項目ごとの点数を集計したものです。
つまり、最も大事な「何が幸福なのか」という部分は、この研究チームが決めてるって事です。
もう一度、PDFから項目部分を抜き出して見てみましょう。
ほぼ全部の項目が、すんなり数値化可能な分野ですね。
では、参考にブータンが採用しているGNH(国民総幸福量)とは、
如何なる考え方なのか。
Wikipedeia 「国民総幸福量」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E6%B0%91%E7%B7%8F%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E9%87%8F
国民総幸福量または国民総幸福感とは、1972年 に、ブータン国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが提唱した「国民全体の幸福度」を示す“尺度”である。国民総生産 (GNP) で示されるような、金銭的・物質的豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ、つまり幸福を目指すべきだとする考えから生まれたものである。
そしてその中身は
2年ごとに聞き取り調査を実施し、人口67万人のうち、合計72項目の指標に1人あたり5時間の面談を行い、8000人のデータを集める。これを数値化して、歴年変化や地域ごとの特徴、年齢層の違いを把握する。
国内総生産(GDP)が個人消費や設備投資から成り立つように、GNHは
1.,心理的幸福 6,.コミュニティー
2,健康 7,良い統治
3,.教育 8,生活水準
4,文化 9,自分の時間の使い方
の9つの構成要素がある。GDPで計測できない項目の代表例として、心理的幸福が挙げられる。この場合は正・負の感情(正の感情が 1.寛容、2.満足、3.慈愛、負の感情が 1.怒り、2.不満、3.嫉妬)を心に抱いた頻度を地域別に聞き、国民の感情を示す地図を作るという。どの地域のどんな立場の人が怒っているか、慈愛に満ちているのか、一目でわかるという。
安易に数値化出来ない「心理的幸福」を、丁寧にカバーする仕組みになっています。
この部分だけでも、法政大学の研究とは全く別物である事が判りますね。
こう言ったからって、もちろん福井県の人達を貶めるつもりは無いです。
ブータンだって別に理想郷ではなく、少数民族問題を抱えてもいる訳で。
ただ、ここで西川知事が胸を張るのは間違ってますよね。
だってブータンが脱却しようとしてる「物質的な幸福観」そのままなんだから。
知事なら、自分達の県が何を大切にすべきか考えてほしい。
「まず生活の糧」と言うのは正しいと思うけど、その為に原発しか選べない不条理に
もっと批判的であってほしい。
多大なリスクと環境汚染の上で成立する「みんなの笑顔」って、悲惨ですよね。
そんなのは、言われなくても判ってるじゃないですか。
だから、変えないと。
一番おかしい部分をそのままにして、不条理を押し付ける側が与える名誉に
喜んでたらダメですよ。
と言っても、これは僕ら全員の問題ですね。
立地自治体が真の意味で「幸福」になる為には、日本全体が変わらないと。
やっぱりマスコミが邪魔かも。
最後に、2008年に大阪大学が行った研究を紹介しておきます。
こちらは「あなたの幸福度は10点満点で何点?」のアンケート調査です。
大阪大学社会経済研究所
「幸福感ではかった地域間格差」
http://www.iser.osaka-u.ac.jp/coe/dp/pdf/no.7_dp.pdf
法政大の研究とは全然違った結果になってますね。
こちらの調査で福井県を見ると、所得は東京に次ぐ全国2位。
反面、幸福度は真ん中辺りに留まっているようです。
所得がダントツで最下位の沖縄が、幸福度で案外上位なのも興味深い結果ですね。


