今日はまいやんの誕生日
前々から会えないって言っていたけど
本当はまいやんを驚かせる口実で
まいやんのお仕事が終わる前にこっそりお家でご飯作ろうかなー

喜んでくれるといいな…


西「んーと…」

カバンの中から合鍵を取り出して
差し込もうとしたけど、
明らかに光が着いてる…音も聞こえる…
え、もう帰ってきたん?

とりあえずバレないように音を立てないで入ってくと、嫌な匂いがした
家に遊びに行く時にたまに匂う香り
可愛らし女性が付けてそうな柔らかい香水の匂い
誰か来たの?と問いかけてことが何度かあったけど全部あやふやな答えで終わってしまった

まさか、今来てるん…?



「〜♪」


恐る恐るキッチンの方を除くと

ふわっとした髪に
綺麗な白い肌に綺麗な横顔
スレンダーな体つき
そこには、とんでもない美人な女性が鼻歌を歌いながら料理をしてて、

持っていた袋、カバンが音をたてて落ちて
美人さんと目が合ってしまった


「え…誰」


こっちのセリフ、って思いながらも
どうしたらいいか分からず黙り込んでしまう

浮気相手なんかな…それとも、ななが浮気相手なん…?
こんなに美人さんに勝てるわけない…
遊びやったんや…

涙が溢れだしそうになるけど
ここで泣いちゃったら負けたみたいで
ぐっと、堪えた


「あ!分かった…麻衣のストーカーでしょ!」


麻衣…って呼んでるんや、
ななは…まいやんやのに…


「昔からストーカー被害すごかったからなぁ」


昔から、そんなに前から付き合ってるんや…


「まさか合鍵まで作って入ってくるなんてね」


これは、まいやんから貰ったので…


「麻衣の人生の邪魔しないでくれる?」


邪魔なん…?
なな、だけって…言ってたやんか…

堪えてた涙が溢れ出て
悔しくて、辛くて…泣いてるってバレる前に帰ろうと思って玄関まで走った


ガチャ
白「うぉっ!」


タイミング悪くまいやんが帰って来て
なながダイブしてきたみたいな感じになってて


白「七瀬?!来てくれたの?嬉しい!!!」


人の気も知らんで苦しいくらいにギューしてくる
いつも通りのまいやん
でも、これ全部遊びなんやね…


西「ヒグッ…は、な…してっ…」
白「え、七瀬…?なんで泣いて「ななは…」
白「七瀬…大丈夫だから…ゆっくり教えて?」


優しく抱きしめて、背中を摩ってくれる
なんで、そんなことするん…
嫌いになれないやんか…


「あーの…麻衣…?」


キッチンから美人が来て
気まずそうにまいやんを呼んだ

ななは怖くなってしがみつくようにまいやんに抱きついた


白「は?…お姉ちゃん…なんでいんの…?」


聞いたことないくらい低い声で美人さんにそういったまいやん

え、お姉ちゃん…?


「だ、だってー…麻衣がひとりぼっちだって、」
白「だからって来んな」
「えーせっかく来たのにー!」
白「うるさい、七瀬来てるから帰って」
「え、その子が七瀬ちゃん…?」
白「そうだよ…あんまり見ないでよ、私の七瀬」
「七瀬ちゃんごめんね!酷い事言って…」


お姉ちゃんらしき美人さんはななに土下座しとって
まいやんはななをぎゅーしながら美人さんを睨んでて

なんか、お姉さんまいやんみたいやな


西「ンフフッ」
「あ!笑った!」
西「あ、ごめんなさい」
「むぅっ真剣なのにっ」


むっとした顔もそっくりでまた笑えてくる


姉「あー!また!まあ、いいっか」
白「よくない、なに泣かせてんの」
姉「いや、だって…ストーカーかな、って…」
白「こんな可愛い子がストーカーなわけないし、もしそうだったら嬉しくてストーカーのストーカーになる」
姉「いや、それは気持ち悪いから」
白「可愛いのが悪い!」
姉「いや、引くよ、お姉ちゃん引いちゃう」
白「勝手にして、私は七瀬が居ればお姉ちゃんなんて要らない」
姉「うわっ、七瀬ちゃん聞いた?!」
白「勝手に七瀬って呼ぶな」
姉「いいじゃん、ねー?」

西「ンフフッはい、嬉しいです」

白「ちょっと七瀬…」
姉「うぇーい、七瀬ちゃんから許可貰ったもんねー」
白「チッ…まじでうざい」


この後は3人でご飯を食べて
お姉さんと仲良くなれた
お姉さんが帰った後はやたらまいやんがベタベタしてきて
どうしたん?って聞いてみた


白「…お姉ちゃんに七瀬取られた…」
西「ンフフッ可愛ええなぁ」


ムッとしたまいやんが可愛くて
末っ子の部分が見れてななは幸せな1日やった


西「ななも、まいやんを取られて悲しかったなぁ」
白「えへへっ、私は七瀬のだからっ」
西「ンフフッななはまいやんのやで?」


ほら、可愛ええやろ?