関西生まれ&育ちの彼女とは、クアラルンプールにある絵画部という同好会で知り合いました。日本で言えば生涯学習センターのお絵かき教室と思って頂ければ十分すぎるくらいです。誤解のないように補足すると、講師と生徒さんの1-2名はプロ級でした。
数年前のある夏(常に夏ですが)、平目さんが転勤前まで日本で勤めていた吉本銀行の後輩の方が夏休みを使って、マレーシアに遊びにきました。平目さんと後輩さん、私と友人の福助の4人でレダン島へ遊びにいった時の話です。
透き通る穏やかな海、白い砂浜、マリンブルーの風、綿菓子のような真っ白な雲と青空。
シュノーケリングを目一杯楽しんだ後、夜は浜辺でシャンパンを開け、女性4人が星空の下で語るのは、滑ることのない、尽きることのない地方銀行、吉本銀行物語。
関東育ちの私には、それまで銀行というとお固く真面目なイメージが強かったけれど、国が違うと、失礼、都市が違うと銀行員の人柄によって大分その印象も変わります。
平目さんが吉本銀行に入行した時の話
「私が入行してすぐの頃、きたんや。
テロリスト」
私にとって身近?にテロの恐怖を体験したのは、やはり2001年のアメリカ。
NYでテロが起きた時、LAはまだ早朝6時前。
日本にいた妹からの緊迫した電話で起こされ
「お姉ちゃん、NYのワールド・トレードセンターがテロにあって・・・ペンタゴンも。
え!え!!
どういうこと、二機目が突っ込んだの?え!?再放送なの?どういうこと!!
早くテレビ付けて見てー!!!!」
起こされたばかりの頭では全て悪い冗談にしか聞こえないけれど、妹の言っていることを何とか理解しようと頭をフル回転させたところ浮かび上がってきた現実。
「うち・・・・・テレビ・・・・ないんだけれど」
はい、我が家には文明の利器、テレビがなかったんです。
そんな記憶が鮮明に残っているので、平目さんからテロリストが銀行にやってきたと聞いて、驚きの声を上げない訳はなかったのです。
えーーー!!!テロリストが吉本銀行に来たの!!!
それで、どうしたの??
「俺はテロリストやって言うから、奥に座っている上司のところへ行って
『すみません。3番窓口にテロリストがきているのでお願いします』って言ったらな、
君がなんとかせーーー言うんだよ。
だから仕方なしに対応したら、テロリストの唾がな、唾が私の右腕にピッて飛んできたの!!
うわーーーーーあかーーーん、テロリストの唾が腕についたーーーって席を立って洗面所に駆け込んで、ゴシゴシ腕を洗って席に戻ったら、上司がテロリストの対応してくれおったわ~」
ここまで舐められたテロリストの話を聞くと、思わずテロリストに同情したくなりますね。
吉本銀行員の個性というのもあるのでしょうが、客層もまた違うのでしょうか?
他にも、新聞の折込チラシの裏に 100,000,000 と書いて
「すみませ~ん、この一億円をお宅の銀行に預けたいのですが」と言ってくるお客様。
貸し金庫からミャーミャーと子猫の鳴き声が聞こえてくると言い張るお客様。
登校前に、毎朝銀行に立ち寄って小銭を預金する小学2年生のお客様。
どれも癖のあるお客様ですが、そのお客様を怒らせないで上手く接客・対応する吉本銀行員のお仕事ぶりは、まず丸菱銀行など大手銀行のマニュアルにはないでしょう。
その旅行から半年経った頃、クアラルンプール町内会で広報を担当していた日本人女性、ホワイトタイガーさんから一緒に町内会の会報誌を作りませんか?とお 声を頂いたのです。面白そうだったので、引き受けることにしたのですが、他にも誰かEribullが推薦する人がいたら連れてきてください、とのことで、 平目さんを誘ったのです。
そう、どうせボランティアでも仕事をするなら面白い人と仕事がしたい!!
ですか、この平目さん、そういう話になると急にお笑い銀行員から、お固い銀行職員に変身するのです。
それでも諦めない私。説得というより、口説き落とすために最初はメールで
まだ決まった話じゃないんだけれど、来年の今頃にはタイへ異動になっているかもしれないの。だから残り一年間のマレーシア生活で楽しい思い出を作りたいから、平目さんと一緒に会報誌を作れたらいいなと思って平目さんをお誘いしました

そのメールを読んで、貰った電話にも
タイへ異動しても近いから会えるし、日本でも会おうと思えば会えるけれど、一緒に何かをつくり上げるってことは今しか出来ないでしょ?それが後々、思い出にも笑い話にもなるじゃない!!だから平目さんと楽しく会報誌を作りたいと思うの

人生初の渾身の口説き。
相手は頭の回転が早い元銀行員。こっちも本気で口説きました。
そして見事に落ちてくれたのです!!!ぐふふ。
タイへ異動の話は出ていたけれど、確率としては30%くらいでした。ですが、ちょっと多めに80%くらいのニュアンスで伝えたのが功を奏したんですね。結果、我が家のタイ異動の話は流れ、それから3年間一緒に会報誌を作り、2012年の春に平目さんを残し私は先に帰国しました。
その平目さんから、数週間前に記事と思える長い報告メールが届いたので次回お伝えしようと思います。
そうそう吉本銀行では営業が始まる前、女性社員が窓口に座り準備をし、銀行のシャッターが開くまでの数分間に朝トレがあるようです。
「あーーなんか、テンション上がんなーい。誰か、若いの一発ギャク言って」
そこで若いのは朝トレの如くギャグを捻り出すと
「あ~~~~あかん。今ので今日一日働く気力が萎えたわー」と先輩からもっとギャグ力を磨くように小言を言われるのです。
そして営業時間ピッタリにシャッターが開くと、爽やかな笑顔で
「おはようございます」
恐るべし吉本銀行。
ギャクセンスによっては融資額、金利が異なるかもしれません。
自信のある方は、一度お試しあれ!!





















