いつか、コンクールというものを
ライブで聴いてみたい。見てみたい!

私がユンディに関心を寄せるように
なってから、なんとなく、おぼろげに
感じたことでした。

(最終目標はワルシャワのショパン
    コンクールをライブで聴くこと)


直木賞作品の「蜜蜂と遠雷」を読んでから
日本で開催される国際コンクールに
行くチャンスがあればと思っていた折、

土日にかかる日程でこのコンクールに行く
調整がつき
第2次予選最終日に立ち会うことが
できました。

これから、聴いてきた素晴らしい演奏に
ついて感想を書きたいと思いますが
先入観なしにこれから彼らの演奏を
聴きたいと思っていらっしゃる方は

ご理解の上でお読みくださるか
スルーしていただくよう、お願いします。


いつもは、演奏中、メモは取りませんが、
今回は出演者が多いことと、
曲に対する知識が乏しいことから、
メモを取りながら聴きました。

曲目は公式HPに書かれているままを
引用しましたが、日本人作品の曲は

前半4人は全て一番始めに弾き
後半4人は真ん中で弾いていました。

では、お付き合いいただけたら幸いです。


今田篤(使用ピアノ: YAMAHA)

A. スクリャービン
ピアノ・ソナタ 第4番 嬰ヘ長調 Op.30 
J. ブラームス
ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 Op.1
佐々木 冬彦
SACRIFICE


いきなり私に遅いかかる、クリアでキレの
ある音。広がる空間を感じさせる弾き方に
このコンクールのレベルの高さを感じ
それは、進むにつれて確信に
変わっていきます。

このSACRIFICEからスクリャービンの
ソナタにつなげるのは、すんなり心に
入って良かったです。

ワルツのような響きに酔いしれる間も無く
最後のブラームス。

歯切れの良いリズム感、ロマン性豊かな
歌い、テクニックを見せる高速パッセージ
など、演奏者の技量を存分に知らせる
選曲だったように思います。

始めからこれか…

すごいな。


タチアナ・ドロホワ  ロシア(YAMAHA)

L. ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 Op.110
F. リスト
スペイン狂詩曲
佐々木 冬彦
SACRIFICE


うん、日本人作品は少し、
板についていない印象でした。

クリアな感じは乏しいですが宇宙的な
表現は良かったです。

そして、優しい奏でで始まった
ベートーヴェン。

思いのほか良く、期待を抱きます。

左手で重厚な地を這うメロディラインを
弾きながら、
右手ではおおらかに歌う上手さがある。

爆音じゃないけど、上手い。

つかみは今田さんの方が良かったが
教会的な響きにじわじわとくる感動。

その感動のままに、弾き始めた
リストの超絶技巧、スペイン狂詩曲。

ユンディが弾くこの作品は、何十回聴いた
かわからないけど、とても素晴らしかった。

ベートーヴェンでも見せたテクニックに
最後で見せた更なるテクニック。

そのタフさに感心しながらも、まとめ髪が
少しはらりと落ちていくのと共に
キレと霞みの両方ある音色は良かったです。

旦那さんは、この方が
お気にめしたようです。



イ・ヒョク  韓国  (YAMAHA)

プロコフィエフ
ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 Op.83
F. リスト
ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調 (カデンツァ M.A.アムラン版)
佐々木 冬彦
SACRIFICE


「弾けるやつかどうかは
   始めの数小節聴いただけでわかる。

   もっと言えば、出てきた瞬間にわかる」


だいぶ要約しましたが確か、蜜蜂でこんな
くだりがあったと思います。

颯爽と現れた韓国の18歳🇰🇷

余裕さえ感じさせる笑顔と、左手をピアノ
の端にかけて挨拶するプロ並みの仕草に
アラフィフの私はすでに胸がドキドキ

しかし日本人作品を弾き始めた姿は
そんな可愛い雰囲気と違い、何か
圧倒させるものを感じました。

続くプロコの7番。

抜群のリズム感に感心しながら、音そのもの
に注目し始め、その素晴らしさをスケールで
感じた時、ひらめくものがありました。

第2楽章に入った時、これまでの対局にある
印象、それは音の美しさと、幅の広さ
魅惑的な歌い方に、確信した思い。

天才だ。たぶん…

弾きながら、笑みを浮かべ、身体をリズム
に乗せるさまは…

さらにハンガリー狂詩曲で見せた圧巻の
テクニックとパフォーマンスに

エンターテナー性を感じました。


このピアニストには
惹きつける強烈な何かかある。

そして、また、なぜか、ユンディを
思い出していました。

年齢もユンディがショパンコンクールで
優勝した同じ年齢。同じアジアの人。


聴衆も弾き終わってすぐに拍手👏

これは、もはやコンクールではない!

演奏会だ!



なぜかわからないのですが
ここまで書いて字数制限となりました。

たぶん、曲名をコピーして
貼り付けてたからかな。

続きはまた、今度です。