演奏会になかなか足を運べない私の
楽しみの一つ、リサイタル番組。

クラシック倶楽部には
とてもお世話になっています



生の演奏は、その演奏家の息吹を
ダイレクトに受け取れる、また
見に聴きに来ている人たちの様子を
知ることができる

まさに、今を知る現場なら

録画を放送するテレビ番組やラジオは
本人のインタビューやパーソナリティ
の考えや志を聞き

より理解を深められる時間と
私は思っています。


どちらも貴重な体験ができる
大切なもの。

今回のバルナタンさんの演奏は
それも素晴らしかったのですが
インタビューに心が止まりました。

「演奏家は、作曲家の意志を表現する
   だけではなく、それを基に
   ステージで演じるものだ。」

ユンディの言葉を思い出しました。

「私には舞台俳優の経験がある」




(2016年 喜劇王より)

ユンディは、演じることから
総合芸術というものを学んだと

それは舞台からだいぶ経ったインタビュー
で言っていたと思います。

ユンディの言葉から、その時も
良い経験したんだと嬉しかったけど

こうして同じピアニストから
俳優との共通点があることを聞くと
客観的な見方だから余計に嬉しいです。


さて、肝心なバルナタンさんの演奏
ですが、良かったです。

ベルガマスク組曲には
「月の光」があります。

生演奏で聴いた音色にはかないませんが
凛としたたたずまいは良かったです。

そしてなぜか、暖かさを感じました。
月なのに、冷たくない。
良かったです。

さらに私が思わず集中したのは
この組曲の中の「パスピエ」という
曲です。

なんというか、音に丸みがあるというか
スタッカートがあるメロディライン
ですが、その跳ねる感じがキツくない。

歌うところは幅のある響きを出す。
とても印象的でした。

意外にも、現代曲の「目に見える暗闇」が
良かったです。

終始、繊細で微かに聴こえるトリルに
異次元空間を思わせる不思議なメロディ
を乗せて進行します。

難解かと思いきや、宇宙空間のような
漂う感じはストンと胸に落ちるものが
ありました。

全体を通してですが
ペダルが素晴らしく上手いと
感じました。

濁らない。

その良さは、夜のガスパールの
オンディーヌでも発揮されました。

生でも聴いてみたいピアニストでした。


予想を覆す、ステキな弾き方に出会うと
やっぱり聴いて良かったなと思います。

録画ですから、良い演奏を放送する
のでしょうが、安心して聴けるという
充実感があります。

生には生の、そこでしか味わえない
臨場感に、血が騒ぐ思いも
また格別な幸福感があります。


私はユンディのピアノを
毎日聴いているけど

聴くたびに、その清らかで素直な
歌いに感動するけど

ステージで聴いた体験に勝るものは
ないのです。

良く弾けた時であっても
ぼろぼろだった時でも

すべて愛しい。


好きな人には素晴らしい業績を
残してほしいけど

正直なところ、それよりも
ユンディ自身が幸せでいてくれたら
それだけでいいと思うこともあります。

ユンディが色々なことに悩むことなく
音楽そのものを楽しんで
好きな曲を演奏できる…

そして、それを聴くことができる
チャンスがあれば言うことはありません。

来日が待たれるところです。


さて、こんなそんなの視聴記録を
書いてきているわけですが
過去に書いた記録をわりと
お読みになる方がいらして
とても嬉しく思っています。

ボキャブラリーも貧弱で、聴く力も
怪しい私ですが、どんな演奏も
言葉を選んで今後も書いていく
つもりです。


マイメロディハローキティけろけろけろっぴ(なんだ、この可愛い絵文字❤️)


ユンディ、おはよう💖

今朝はどんな気分ですか?

あなたが楽しんで
幸せを感じられる演奏会になることを
祈っています。