広がりのある音色……

ワルシャワで聴いた時と変わらない
秀逸な演奏でした。





ショパンコンクール第2位に
ふさわしく、オールショパンで
構成してきたプログラム。

始めのノクターン第20番から
魅了してきます。

私としては、全曲を聴いて
一番心に残りました。

途中、スケルツォ的な曲想になる
部分は、やっぱりいいなと
思っていました。




さて、プログラムはショパンの
即興曲から始まります。

すでに私はワルシャワで
聴いていますが
その時と遜色ない高いレベルを
維持した演奏だったと思います。

全部で4曲ありますが、その曲の
合間を取らないゆえ
少しさっぱりしすぎた印象は
ありました。

それでも、幻想即興曲の中間部の
歌いは存分に聴かせたと思います。




そして、後半のバラード。

全体の印象として、少しテンポが
早いかなと思いました。

もっと聴かせるところは
充分にためていいかなと思いました。

また、最終的な印象ですが
メロディの揺らし方が少し
私の感覚とは違う感じが
しました。

つまり、無理に早めてしまう感じ
がしたのです。

もっと自然な歌いでいいかなと……




ただ、ピアノの音色そのものは
弾力があって、美しさもある
素晴らしいものを持っていると
思います。

いわゆる模範演奏と言って良いかと
思います。

観客の中には小中学生と思われる
方々もいましたので……

この先も楽しみです。


アンコールで弾いた別れの曲。
今、私も練習している曲ですが
やっぱり運命かなと思いました。

たぶん、何かに引き寄せられたので
しょうね……

あまり歌い過ぎない、でも 
歌うところはしっかり歌う……

そんなお手本になる演奏を聴けて
よかったなと思いました。


ただね……

私の中では、ユンディのバラード
が好きなのです。

これは仕方ないかなと
今日、はっきりと自覚しました。

自然に歌わせているのに
心に残る何かを持ったピアニスト。

それが私にとっては
ユンディ・リ。

彼の弱音(じゃくおん)の美しさは
比類なきもの……

バラード第4番のコーダに向かう
直前の究極の弱音は
今日のアムランにはなかった。

そんな印象です。


「それで……?」



私はあなたを愛しています。