15話『暴かれる真相』 | 真実のノート

15話『暴かれる真相』

「休み時間 屋上に来て 話しが あるんだ」

それは 突然 耳元で 好きな男から 囁かれた言葉だった。

胸の高鳴りを 押さえる様に 屋上に向かった 私が 見たのは、私に 気が付く前の 椎葉君の 寂しげな横顔だった。

私に 気が付くと 椎葉君は途端に 微笑みを 見せる
私は 黙ったまま 屋上の、金網を 掴む 椎葉君の横に並ぶと 胸の鼓動が 椎葉君に、ばれてしまわないか!? 心配で 確かめる様に 胸に手を当てた

「あのな 久保田 実は 佐奈の事なんだけど…」

椎葉君は そう 切り出して
うつ向く

(ああ…やっぱり…)

あるはずも無い 想像を 打ち消すと 胸の鼓動も 次第に 穏やかに なってくる
だけど…その裏に 大きな落胆が ある事を 椎葉君は気付く訳も無く 次の言葉を 私に切り出した

「お前 最近 佐奈と仲が いいだろ! あいつ 弱いくせに 妙に 意地っ張りでさぁ~ だから、友達も中々出来にくいと 思うんだ だけど…久保田の事 話す時は あいつ、嬉しそうなんだ… だから つまり、その…」

椎葉君が 掴んだ 金網が 微かに 揺れている様な 気がした。

言葉を 詰まらせる 椎葉君

「椎葉君?」

私は 椎葉君に 声を かけた。

すると 椎葉君が 突然 私を 真っ直ぐに 直視した
そして

「あいつを 深く 見てやって欲しい 不器用だけど あいつは、久保田の事が 大好きだと 思うから それだけ 頼みたかったんだ」

そう言った。

椎葉君の 真剣な表情に
胸が また (トクンッ)と 波を 打つ

こんなにも、佐奈は 愛されてる

正直、私は こんなに 人から 想われた事も 想った事も無い

(佐奈が 羨ましい…)

そう 心で 呟くと 私は

「大丈夫だよ 私も 佐奈が大好きだから…」

と笑顔で 答えた。

それと 同時に この椎葉君への 想いは ずっと 心の中に しまっておこう
そう 決めていた。




翌日の朝 職員室の前を 通ると 綺麗な 髪の長い女性と 椎葉君が 何やら 担任の水谷と 話しているのがチラリと 開けっ放しの ドアの向こうに 見えた


でも それが 重大な 話しを していたのだと 気付いたのは、佐奈が 私の言葉に 青ざめて 教室を 飛び出した後だった。


「椎葉 誠が 急に 転校する事になった」

水谷から そう聞かされた時 回りの女子は 泣いていた。 だけど 私の頭に あるのは 数分前に 飛び出して行った 佐奈の事だった
佐奈は 朝 椎葉君と 連絡が 取れないと 悩んでいたし… 教室を 飛び出して行く前の あの佐奈の青ざめた 表情…

恐らく、椎葉君は 佐奈に 転校の事を 何も 知らせて無いんだ!

そう 思った。


暫く経ってから 佐奈は
ヨロヨロと ふらつきながら 教室に戻って来て
机の上に 朝 投げ捨てた きりの携帯を 手に取ると 耳にあてた

きっと 椎葉君に コールを入れてるんだ
そう思い 佐奈に 駆け寄ると 佐奈の手には 血の後が残っていた。
更に 頬に 涙の後が ある
私は 椎葉君に コールを入れる佐奈を 見て
気が付くと いつの間にか 自分も、泣いていた。





佐奈が 変わったのは その後 暫く経ってからだった


元々 私達は 真面目な方では無かったし…

夜遊びを 覚えると 楽しくて 楽しくて 私達は 夢中になった。

週末には オールで 遊びまくり 寝場所を 求め 時には 色んな 男達と売女の様に、肌を重ねた。

佐奈は 私に対しては 心を開いてくれてたけど
椎葉君の横で 笑っていたあの日の 笑顔は 見せてはくれなかった。


学校の屋上で ふと 椎葉君の事を 佐奈に聞いたのは… 何となく 佐奈に黙って転校してしまった 椎葉君に 事情が ある様に思えたからだ
「捨てられたんだ」
と 佐奈は 言ったけど
転校する前の日 椎葉君が 私に言った言葉に ずっと何となく 疑問を 感じていた。 自分が 飽きて捨てる女の事を あんなに 心配そうに私に 頼むだろうか?
私は 佐奈に 最初の 佐奈しか見ていない頃の椎葉君の話しを した。
そして、あの屋上での 椎葉君の言葉を 伝えようと思った。

もっと 早く 佐奈に 言うべきだったんだろうけど
佐奈が 余りに 辛そうで 椎葉君の名前さえ ずっと口に出来なかった

そして、私は 屋上での事を 切り出そうとした

でも 佐奈の横顔が みるみる青ざめて
まだ 苦しんでる佐奈に
それ 以上の事は 言えなくなってしまった。




そんな 佐奈から メル友の事を 聞いたのは
あの事件の後になる…

財布を盗んだ!! と決めつけられ 私は 朝の教室で 一方的な 女子達の リンチにあった。
訳は? と聞くと 財布を 無くした娘と 席が 隣同士だったせいと 私が シンナーでラリってるのを 夜の街で 見かけたと 証言した女子がいたからだ!

遅れて 教室に 入って来た佐奈は、私を見ながら 回りを取り囲む女子達から 事情を 聞くと

「やってない!!」

私の そんな 叫びを 無視して 教室を 出て行ってしまった。

何を言っても 信じてくれない クラスメイト達 私は 暴行を 受けながら

(佐奈も 一緒か)

そう思うと やけに 悲しくて 涙が 溢れ出た

その時だった!!
気が付くと 佐奈が 私を かばうように 上に 覆いかぶさって来たんだ

佐奈は 女子達に 蹴りを 入れられた
「辞めて!!」
叫ぶ私に 佐奈は
「大丈夫だよ!」
そういって(ニコリ)と 微笑んだ。
そして その後

「美紀は 絶対 やってねーよ!!」

そう 大声で 叫んでくれたんだ!

嬉しかった…
佐奈は 私を 信じてくれたもう それだけで 十分だった。

その後 結局 盗まれた!と大騒ぎした女子の勘違いだったんだけど…

佐奈は その女子に
「謝れ!!」と 言って 掴みかかった!! 私は 慌てて「もういい!」そう叫んで佐奈を止めた。

「何がいいんだよ!!」
と 聞く 佐奈に 私は 言ったんだ
「佐奈が 信じてくれたから…もういい!」ってね 怒りなんて ぶっ飛んでたただ 嬉しくて
嬉し過ぎて どうしようも無かった

あの時 私は 決心したんだ

佐奈… あんたと ずっと 親友やってきたいってね

佐奈から…メル友の事を 聞いた時は 佐奈と私を あの事件で 心から 繋げてくれた 救世主かと 思った


そして…



その後




あの…忌まわしい 事件が

おこったんだ。