14話『バイバイ』 | 真実のノート

14話『バイバイ』

その日の夜


「今、何してるの?」

奴に メールを 打った。

「別に 何もしてない…」

奴から…返信

少し前…私は
奴に…安藤さんの事を 相談しようと思った


今迄…何だって 奴に 相談して来た。


だから、今度だって 迷ってるんだから…相談出来るはず!


そう… 思ってた


だけど…何故か 私は 奴に打つメールを 削除していた。





奴に 聞きたい事は 沢山あった。


だけど…聞こうと すると
奴は 何度も 決まって 話題を すり替える


私は 次第に 何一つ 奴に聞けなくなっていた。



「どうした? 何か あったのか?」

又 奴から…メールが 届く

「何でもないよ!勉強しなくちゃ! またね」

私は そうメールを 打ち
送信をする


最近、奴とは 意味の無い

こんな やり取り ばかりだ





土曜日の午後


家に 安藤さんが 来た。

安藤さんは… 相変わらず

優しい…


だけど… 優しくされる度

私の心には 痛みが 走る



その日の夜

「おじゃましました…」


帰る 安藤さんを 私は

車迄 見送りに 出た


「お休みなさい…」

そう 言って 手を振ると
安藤さんは その手を 掴み
私を 強引に 助手席に 乗せた。

「どうしたの?」

困惑する私を 無視して

安藤さんは 車のエンジンを かける


「何処へ行くの?」

聞いても 安藤さんは 黙って 車を 走らせた。


車は 高速に乗り どの位 走っただろうか!?


気がつくと…フロントガラスの向こうには 朝もやのかかる、海が 広がっていた。


ハンドルに もたれかかりながら…安藤さんは 無言で 海を 見つめていた


そして、暫くすると 車から 降りて

「砂浜を 歩こう…」

そう言って 笑顔を 見せる

困惑しながらも 私は 安藤さんの後ろに 続いて 砂浜を 歩いた。

すると 突然 安藤さんは
振り向き、私を 抱き締める

いつもと 違う様子に 私は

「一体 どうしたの?」

安藤さんを 見上げた

「佐奈が 笑わないんだよ」

安藤さんは そう言って 私を 真っ直ぐに見詰める

「僕は 利用されても いいって 思ってた… 佐奈が 僕の横で…笑ってくれるなら… 耐えられるって 思ってた!だけど…君は 酷く辛そうで… 苦しそうで…」


(安藤さん…)


「私…私…」


安藤さんが 言いかけた 私の言葉を 唇で 塞ぐ

その瞬間


また、夢の中の 背中が 私の頭に 浮かんだ。


唇を 離した時


「僕じゃ ダメなんだよな?」

私に…問いかけた安藤さんが 泣いていた。


「好きだから、分かるんだよ…君の気持ちが…」


(安藤さん!!)


「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」

私は 砂浜に 座り込み 何度も 安藤さんに 謝った

この気持ちに…コントロールが 許されるなら…


私は 絶対に 貴方の 隣で今頃…笑っていられただろう!

砂浜に座り込み…謝る事しか出来ない 私の肩を抱いて…安藤さんは…ゆっくりと立たせた。そして

「いいんだ…心は どうしようも無いもんな!それだけは…僕にも 分かるよ…」


そう言って 微笑んでくれた。